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授業テーマ8

「科学の心で、トマトをもっと知ろう!」5年、家庭科、総合―国際理解

対象学年
小学5年生
時間数
2時限授業

授業のねらい

クイズや実験、調理を通して、身近な食材であるトマトへの関心を高め、トマトの栄養や食材としてのよさ、世界各国でのさまざまな利用法について学ぶ。

授業の前に準備するもの

  • ワークシート 「何の野菜かな」クイズ
  • トマトとミニトマト(完熟したものとしていないもの一つずつ)
  • 水槽(できるだけ大きいものがよい)
  • トマトおでん(5人分)の材料と使用器具:トマト(小ぶりなもの)5個、かつお節20g、昆布8cm、水1000ml、薄口しょうゆ小さじ2、塩少々、なべ2つ(2L程度の両手なべ、500ml程度の片手なべ)、ざる、おたま、包丁

授業の様子

出題時間:10分
1.
トマトの呼び方についてのクイズを出し、トマトへの関心を高めるとともに、トマトと人々の暮らしのかかわりについて考えさせる

トマトへの関心を高めるために、まず、「何の野菜かな」クイズを出す。トマトには世界各国でさまざまな呼び方があることを知らせるとともに、トマトは昔から利用されていて、人々の暮らしと深いかかわりがあることに気づかせる。

<「何の野菜かな」クイズの進行>
(1)

「ある一つの野菜についてのクイズです。みんながよく食べる野菜です。その野菜が、外国ではいろいろな呼び方をされています。日本でも、いろいろな呼び方があります。それらを一つずつ知らせていくので、何の野菜か当ててください。ヒントは10個出しますが、全部同じ一つの野菜を表しています。」

(2)

名前が書かれた短冊カードを黒板に一枚ずつはる。短冊カードを黒板にはるたびに、ワークシートに名前を書き写させる。ヒントを出し終わったら、ワークシートの中央に考えた野菜の名前を書かせる。

(→ワークシート:「何の野菜かな」クイズ

  1. 黄金のりんご
  2. 愛のりんご
  3. 天国のりんご
  4. 外国のなす
  5. さんごなすび←日本
  6. 蕃柿(あかなす)←日本
  7. 唐柿(からがき)←日本
  8. 六月柿(ろくがつがき)←日本
  9. 小金うり←日本
  10. トマトル
(3)

正解「トマト」を伝える。

(4)

クイズの解説をする。

「原産地の南アメリカのアンデス地方では、トマトの祖先をトマトルと呼び、のちにスペイン語でトマテとなり、18世紀に英語のトマトになったそうです。ヨーロッパではりんごが果物の代表で、野菜が不足する冬に、野菜に代わってミネラルなどをとることができる貴重な食品でした。トマトの名前にりんごがつくのは、りんごと同じくらい大切なもの、りんごと同じように体にいい、などという意味と考えられます。そして、中国や日本では、なす科であることや色や形から名前がつけられたようです。」

「原産地の南アメリカのアンデス地方では、トマトの祖先をトマトルと呼び、のちにスペイン語でトマテとなり、18世紀に英語のトマトになったそうです。ヨーロッパではりんごが果物の代表で、野菜が不足する冬に、野菜に代わってミネラルなどをとることができる貴重な食品でした。トマトの名前にりんごがつくのは、りんごと同じくらい大切なもの、りんごと同じように体にいい、などという意味と考えられます。そして、中国や日本では、なす科であることや色や形から名前がつけられたようです。」

  • 黄金のりんご:ポモドーロ(イタリア)
  • 愛のりんご:ポムダムール(フランス)とラブアップル(イギリス)
  • 天国のりんご:パラディスアプフェル(ドイツ)
  • 外国のなす:蕃茄(ファヌチェと読む。中国)
(5)

時間に余裕があれば、来歴の説明をする。

「日本にトマトが伝えられたのは江戸時代の1708年とする説があります。日本でもヨーロッパと同じように、はじめは見て楽しむものでした。トマトをよく食べるようになったのは、60年ほど前からです。今では生で食べるだけでなく、用途もいろいろ広がりました。そして、1年中いつでも買えるようになりました。」

参考文献
  • 南光重毅『カラーアルバム トマト えんどう・たまねぎ』誠文堂新光社
  • 加藤美由紀『COOKBOOK トマト』柴田書店
  • 岡田哲『世界たべもの起源事典』東京堂出版
  • 森俊人『そだててあそぼう1 トマトの絵本』農文協
  • 『日本大百科全書17』小学館
  • 横浜丸中青果株式会社サイト
出題時間:10分
2.
トマトの浮き沈み実験を行う

水をはった水槽にトマトを入れる実験をし、浮くものと沈むものがあることを確かめる。浮き沈みの原因を知ることから、トマトのおいしさへの関心を高める。

<実験の進行>
(1)

水を八分目ほど入れた水槽を用意する。

(2)

「ミニトマトを水に入れると、どうなるでしょう。」と、子どもたちの予想を聞く。

(3)

実際に、熟していないミニトマトを水に入れると浮く。

(4)

次に熟していないトマトで予想を聞く。大きいから沈むと考える子も出てくる。試してみると、浮く。

(5)

解説する。

「浮くか沈むかは、『かさ』と『重さ』の関係で決まります。水は100mlでおよそ100gという、大変わかりやすいかさと重さの関係にあります。水とトマトを同じかさにしたときの重さではトマトの方が軽かったので浮きました。大きなトマトでも浮くのは、かさと重さの関係で決まるからなのです。」

(6)

完熟ミニトマトを示しながら、「熟したミニトマトを水に入れると、どうなるでしょうか」と、子どもたちの予想を聞く。

(7)

完熟ミニトマトを水に入れると、沈む。歓声があがる。

(8)

完熟トマトでもやってみる。同じように沈む。「どうして?」

(9)

解説する。

「トマトは、完全に熟すと、種の周りのゼリーの部分が増え、おいしさがぎっしり詰まった分だけ重くなります。また、熟したトマトは甘み成分が多くなり、甘み成分が多いほど、重くなります。それで、真っ赤に熟したトマトは水槽の底へ沈み、まだ熟しきっていないトマトは水面にプカプカ浮かびます。ところで、野菜や果物などに含まれる砂糖分(甘み)の割合を百分率で表したものを糖度といいます。糖度が高いほど甘いといえます。トマトの性質を応用して、トマトの糖度を簡単に計る方法があります。水に入れて浮くか、沈むかを見るだけです。トマトは5前後の糖度が多いのですが、水に沈むトマトは糖度が6度以上、水に沈むミニトマトは糖度が8度以上という説があります。」

参考文献
  • 藤井健雄・瀬戸照『とまと』フレーベル館
  • 南光重毅『カラーアルバム トマト えんどう・たまねぎ』誠文堂新光社
  • 熊本県青果物消費拡大協議会「野菜王国くまもと」サイト
  • 『現代農業 』2002年10月号農文協
出題時間:5分
3.
自分たちの生活とトマトを振り返りながら、トマトのよさについて考えさせる

どんなときに、または、どうやってトマトを食べるかを考え、トマトの食材としての扱いやすさなど、よさについて理解する。

(1)

「トマトは、熟すとおいしさがぎゅっとつまるんだね。みんなは、トマトをよく食べるかな。」と聞く。

(2)

「サラダに入っている。」「お弁当に入っている。」「大きなトマトはあまり食べないかな。」「ミニトマトは大好き。」などの発言を受けて、トマト(加工品は除く)を使った料理について話し合う。

料理例)パスタ、ピザ、サラダ、スープ、ジュース

(3)

トマトの食材としてのよさや扱いやすさについて話し合う。

  • 赤い色がきれい。
  • 生でも食べられる。
  • 栄養がある。
  • ミニトマトは、切らずに手で食べられる。

※ここでは子どもたちが考えたことを出し合う程度にとどめる。グルタミン酸については次の4で紹介する。

出題時間:15分
4.
トマトの生産量や国別消費量のグラフから、トマトの食べ方の違いに気づかせる。

トマトの生産量や国別消費量のグラフを見て、海外での多様なトマトの食べ方への関心を高める。

(1)

野菜の生産量のグラフを示す。

世界の野菜生産量

<大きな画像を表示>

「トマトは、世界でいちばん多く作られている野菜なんだね。」ここで、ソースやケチャップなどの調味料に使う加工品を取り上げて、多様に利用されていることに気づかせる。
トマトはサラダなどの生食用や、ソースやケチャップなどの調味料に使う加工用として、世界で年間1億トン以上生産されていて、生産量が最も多い野菜である。(2007年、FAO統計より)

ちなみに、国別の生産量を見ると、中国が1位で、日本は171カ国中22位である。(2007年、FAO統計より)

世界の主な国のトマト生産量

<大きな画像を表示>

(2)

トマトの国別消費量のグラフを示す。日本は164カ国中88番目。

世界の主な国のトマト消費量

<大きな画像を表示>

「日本では、ほかの国に比べてあまりトマトを食べないね。」「どうしてだろう。」
世界で見る、1年間の国民一人あたりのトマト消費量は、リビアが1位でなんと117kg。以下、ギリシア115kg、チュニジア91kg、トルコ85kg、エジプト84kgと続き、イタリアが6位で66kg。比べて、日本は一人あたり年間8kgである。(2003年FAO統計より)。
上位の国の位置を見ると、6位のイタリアまで地中海に接する国が並んでいることに気づく。

(3)

グラフから海外での食べ方に目を向けさせる。

イタリアのトマト料理の写真を示す。子どもが気づく。「そうか、食べ方が違うんだ。」「外国ではトマトソースでトマトを食べるって(トマトソースをたくさん使うって)聞いたことがあるよ。」「いためたり煮込んだり、熱を加えて食べるから、たくさん食べられるんだね。」こうした話し合いを通じて世界の食卓へ目を向けさせる。


左から、スパゲティミートソース、ピザ、ミネストローネ(すべてイタリア料理)

ほかにも、ガスパッチョ(スペイン)・ボルシチ(ロシア)・サルサ(メキシコ)など。

「トマトの消費量が多い南欧など地中海沿いの地域では、日本人がみそやしょうゆを使うような感覚で、トマトソースを日々の料理のベースに使っています。トマトはほかの野菜に比べてグルタミン酸を多く含んでいます。グルタミン酸はうまみのひとつですね。真っ赤に熟すほどグルタミン酸の量も増えます。ですからトマトには料理をおいしくする効果があるのです。」

参考文献
  • 『クッキングブック 調理の基礎と応用』学研
  • 行政独立法人農畜産業振興機構「野菜図鑑」サイト
  • 森俊人『そだててあそぼう1 トマトの絵本』農文協
出題時間:45分
5.
トマトの和風の食べ方に挑戦する。

トマトを和風の味付けで食べることで、トマトのおいしさを生かす工夫に気づかせる。

(1)

「トマトのおいしさを生かして、外国ではたくさん食べられているんですね。では和風の料理でトマトを食べることはできないかな。みんなは和風の料理といえば何を思い浮かべますか。」

(2)

「みそ汁」「おつけもの」「そば」などの子どもたちの発言を受けて、「だしは昆布やかつお節でとって。」と言いながら、「おでん」の写真を示す。子どもたちは驚く。「おでんにトマトを入れるの?」

(3)

「トマトにはうまみ成分であるグルタミン酸が豊富でしたね。これは昆布やシイタケなどだしを取るのに使われる食材に含まれているうまみ成分と一緒です。トマトからいいだしが出て、さらにトマトもおでんの汁を吸っておたがいにおいしくなりますよ。やってみましょうか。」と説明して調理に入る。

トマトおでん
  1. なべに入れた分量の水に、昆布を10分ほど漬けておく。
  2. 昆布の入った水を火にかける。沸騰直前(ふつふつと泡が見えるようになったら)に昆布を取りだし、かつお節を入れてもう一度沸騰させる。
  3. 火を止めて ざるでこす。
  4. トマトはヘタを取り、包丁で浅く切れ目を入れる。
  5. トマトにかぶるくらいの量のお湯を沸かす。沸騰したら、トマトをおたまに入れてゆっくり浸す。
  6. トマトの皮を湯むきする。
  7. 別なべに、だし汁、薄口しょうゆ、塩を入れて火にかける。沸騰したら火を弱め、トマトを入れて10~15分ほど煮る。
    注意:煮崩れないようにしながら、ゆっくり煮ます。だしにトマトの色が出て赤く色づくときを目安にするとよいでしょう。
    ※煮崩れても、火の通りが少なくても、トマトですから食べることはできます。
出題時間:5分
6.
まとめ

「トマトの時期には、へたな料理はない」。これは西洋のことわざです。世界各国のトマト料理は、いろいろありますが、うまみは共通して食に生かされています。さらに、日本では昆布やかつお節からだしをとり、ヨーロッパではトマトからだしをとる。うまみを料理に生かすことは同じなんですね。

残り時間に応じて、トマトおでんを食べた感想を話し合う。

参考文献
  • 行政独立法人農畜産業振興機構「野菜図鑑」サイト
参考文献:
『学びを深める 食育ハンドブック』学研(編著:奈須正裕 上智大学教授、藤本勇二 徳島県阿波市立市場小学校教諭)
取材協力:
徳島食育研究会/宮島則子(東京都荒川区立原中学校栄養士)
イラスト:
山本美佐子

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