For the Future of Calbee

Kenmoku Yasuhiko

執行役員
新規事業本部 本部長
1994年入社

1994年にカルビーへ入社後、入社5年目にコンビニエンスストア向けのパンおよび菓子類の製造会社へ出向。製造現場で技術を学んだ後、北海道工場、広島工場で工場長を経験。その後、商品開発を担当。2018年度に、研究開発本部 本部長を経験し、2020年度には、新規事業本部 本部長として、カルビーの新たな主力ビジネスの創出に努める。

20年先、30年先の、
カルビーの成長を目指して

ーまずは、ご自身の経歴と新規事業本部の概要を教えて下さい

1994年に入社しました。その後、1998年にコンビニエンスストア向けのパンを製造する企業へ出向して以来、約13年間、製造に関するさまざまなプロセスを習得しました。カルビーへ戻った後は、北海道と広島でそれぞれ工場長を務めた後、製造現場で培った知見を活かし、商品開発をおこなうことになりました。その後、商品開発部の本部長を任されました。
2019年、未来創造室(現 新規事業本部)の立ち上げに伴い、室長を兼任することになりました。新規事業を担う未来創造室は、スナック菓子とシリアルに続く3本目、4本目の主力事業を生み出すことがミッションです。国内人口の減少や高齢化を前に、20年先、30年先までカルビーが成長するための足掛かりを築くための組織です。また、健康や環境といった世の中の志向の変化を捉えることも欠かせません。その意味では、カルビーの企業活動全体に影響する使命を担っていると言えます。

企業理念に書かれていた、
私たちがやるべきこと

ーカルビーの強みは何だと思いますか

未来創造室を任され、カルビーとして何をやるべきかを考え直す中で、改めて企業理念の重要性に気付きました。つまり「私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します。」という言葉の中に、私たちのやるべきことや強みが書かれていることに気付いたのです。例えば、「自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して」という一文には、カルビーの強みである、自然素材を活用した商品加工技術がはっきりと書かれています。また、戦後の食糧難を受けて人々の健康に役立つ食品をつくりたい、という創業者の思いがこもった「人々の健やかな暮らし」という一文からは、近年高まる健康志向への取組みの重要性が感じられます。さらに、品種の開発から配送まで、商品のサプライチェーンをグループで一貫して手掛けていることも強みの一つだと言えます。新規事業においても、こうした土台は大いに活用できるのではないでしょうか。

これまでにない棚に、
カルビーの商品を置くために

ーカルビーが越えるべき壁は何だと思いますか

既存のビジネスに依存しすぎている体質ではないでしょうか。もう少し分かりやすく言えば、既存の棚以外の場所で勝負できる体制を構築することです。私たち食品メーカーにとって、小売店の陳列棚は商品の売り上げを左右する重要なポイント。しかしながら、今のカルビーはスナック菓子やシリアルの棚にリソース(資源・資産)を集中しています。人的・物的に関わらず、新しいカテゴリのビジネスに対して前のめりにチャレンジし、これまでになかった棚にカルビーの商品を置くための体制を構築することが、今後重要になってくるのではないかと考えています。
そもそも、カルビーは挑戦を許容する文化を持つ企業です。若手が「こんなことをやってみたい」と言えばそれを受け入れる寛容さもある。そうしたよい点を自覚し、それを全社に広げることが重要なのだろうと思います。

超高齢社会を前に、
健康寿命の延伸に貢献する

ー新規事業本部を通じて果たしたいビジョンを教えて下さい

超高齢社会の到来を前に、健康寿命の延伸に貢献したいと考えています。世界の先陣をきって日本が高齢化していき、その後、先進諸国も次々と高齢化社会を迎える中で、日本発の成功モデルを生み出すことができれば、ひいては世界中の健康寿命の延伸に寄与できるのではないかと考えています。皆が健康で元気に暮らし、介護状態にならないまま安心して人生を終えることができれば素晴らしいですよね。
そのために、まずは食を通じて新しい事業を生み出すことができないかと考えています。まだ構想の段階ですが、商品という形態に留まらず、自由な発想でアイデアを膨らませている最中です。企業活動というのは、やはり世のため人のためにあるもの。カルビーとして何をおこなえば、世の中や人々のためになるのだろうと発想できれば、やるべきことは明確になるように思います。新規事業本部がその一助になれるよう、精一杯努力していきます。

Message

企業の方針や事業は、社会環境によって変化するものです。だからこそ、世の中の動きや環境の変化に対して自分なりの意見を持つ力が、よりよい企業選びには欠かせないのではないでしょうか。「世の中がこう変わっているんだから、こういうことをするべきだと思う」「私はこれに納得がいかない。私だったらこうしたい」といった意見があるからこそ、人生の時間を費やす価値のある企業や仕事に出会えると思うのです。
新規事業本部で働くために必要な素質は、旺盛な好奇心です。新しいことはもちろん、旧来のシステムや熟練の技術まで、さまざまなことに興味を持ち、自らアプローチできる姿勢が重要です。何かを調べる、直接見に行く、思いきって会いに行くなど、方法は何でも構いません。後で役に立たなくても大丈夫。とにかく、すぐにアクションが起こせる瞬発力が大切です。その上で、熱があるならなおさらいいですね。(情緒的な言葉ですが)目の前に座った時、熱を感じられる方と一緒に働きたいと思っています。

※上記内容は、いずれも取材当時時点(2019年12月)のものです