Road to Global Brand

Keiei Sho

執行役員
海外カンパニー プレジデント
2013年入社

国内大手総合商社でのキャリアを経て、2013年に入社。海外第一事業本部 本部長として、すでに事業展開していたタイ、香港、韓国、台湾に加え、同年、中国、新たに進出したインドネシアを担当。2014年フィリピン、2015年シンガポール、2016年オーストラリアと広くアジア・オセアニア地区へビジネスを拡大。2016年からは、北米・欧州を含む海外事業全体を統括。現在は、執行役員 海外カンパニープレジデントとして「カルビー長期ビジョン(2030ビジョン)」が掲げる“2030年に海外売上高比率40%超”の実現に向けて、北米、中華圏、英国、インドネシアの4地域に重点を置き、さらにASEAN・オセアニア地域も含めた各国での事業展開に邁進している。

01カルビーグループの未来を描く、
“海外売上高比率40%超”
への挑戦

2016年より、カルビーが展開する全ての海外事業を統括しています。カルビーの海外事業はここ数年で目まぐるしく変化してきました。私が入社した2013年の時点では北米およびタイや香港、韓国、台湾、そして中国といったアジア一帯が主な舞台でしたが、市場やビジネスを取り巻く環境の変化に対応すべく事業を仕切り直し、重点展開地域を設定し事業の深耕をおこなう、いわゆる“選択と集中”を進めています。
2019年に策定した「長期ビジョン(2030ビジョン)」に掲げる目標は、“2030年に海外売上高比率40%超”。その実現に向けて、まずは“2024年3月期までに海外売上高を800億円に、すなわち2019年3月期405億円だった売上を2倍にし、海外売上高比率を25%まで上げる”ことが私たちのミッションです。簡単ではありませんが、決して不可能ではありません。海外カンパニーに所属するメンバーの一人ひとりが、アントレプレナー(起業家)としての難しさと面白さを感じながら、頭を使い、汗をかき、フロンティア(未開拓の分野)の最前線でカルビーの未来を描きます。

カルビーが目指す未来を描く、“海外売上高比率”への挑戦

北米、英国、そして中華圏でのカルビーブランド

02北米、中華圏、英国、インドネシアでのカルビーブランド

昨年来本格化させている“選択と集中”を、より戦略的な段階へ進化・深化させていきます。まずは、北米、中華圏、英国とインドネシアからなる“重点4地域”での収益基盤確立。この4地域での事業をドライバーとし、海外事業全体の成長をさらに加速させます。
例えば、成熟した市場と、公平で明瞭に整備されたビジネスカルチャーを有する北米や英国においては“事業買収”が有効な戦略の一つになり得るでしょう。2018年10月に英国のスナック菓子メーカーSeabrook Crisps Limitedを子会社化、2019年10月には米国のスナック菓子メーカーWarnock Food Products,Incを傘下に収めましたが、今後も継続的に有益な買収先を検討し、成熟した市場の中においても飛躍的な成長を目指します。
一方、インバウンド(訪日外国人)向けやEコマースでの販売を中心に高い人気を誇る中国では“ブランドエクイティ(ブランドの資産価値)の向上”も重要課題の一つ。これまでインバウンドのお土産商品として購入されてきた人気商品を、日常使いの定番商品へと育てています。例えば「じゃがりこ(中国名:薯哆口)」をはじめとする主力商品のパッケージをより現地に浸透させるようデザインし、手に取りやすいコンパクトタイプの商品ラインアップを充実させる計画です。加えて、動画やKOL(Key Opinion Leader)を活用した、オンラインでのマーケティングを実施し、様々な食シーンで愛されるブランドへと進化させていきます。

Road to Global brand

03インドネシアを始めとする、ASEAN各国のポテンシャル

順調に売上を伸ばしている一方、コスト削減というタフな課題と戦い続けているのがインドネシアです。現地に並ぶ5円や10円のスナック菓子とどう差別化し、いかに自分たちの商品を手に取ってもらうのか。解決すべき課題は山積みですが、それらの課題を一つひとつ克服していくことこそがビジネスの醍醐味だと思っています。何より、この国の市場には伸びしろがある。2.5億人を超える人口と10代・20代を中心とした人口ピラミッド、そしてスナックをよく食べる文化。そのどれもが、20年、30年後には大きく躍進する可能性を感じさせます。北米や中華圏といった巨大な市場へ注力する一方で、こうしたポテンシャルのある国への投資も積極的に進めます。
もちろん、重点4地域以外への展開も忘れてはいません。私はよく「フォー・プラス・ワン」と表現していますが、重点4地域に加え、ASEAN全域でのビジネスも常に視野に入れ、各国の事業拡大に注力しています。例えば、当社が30年以上前から事業を展開しているタイ。重要な拠点と位置づけているこの国を中心に、ベトナムやミャンマー、ラオス、カンボジア、マレーシアへと続くインドシナ半島一帯には、2億人以上の人口があります。東西南北に広がる経済回廊を活かしながら、5年後、10年後を見据えた戦略を立てています。

インドネシアを始めとする、ASEAN各国のポテンシャル

まだ見ぬ新たな“シェアNo.1”へ。組織力と商品力で挑む'

04“シェアNo.1”へ。
組織力とブランドで挑む

2019年4月より「海外事業本部」から「海外カンパニー」へと生まれ変わり、理想的なフルファンクション体制が整いつつあります。例えば、ブランディングがその一つ。さまざまな国で事業を展開するいわば“面の拡大”を目指したこれまでは、各国のビジネスパートナーや現地スタッフにブランディング活動の多くを委ねていましたが、海外事業専任のブランドチームを発足させることで社内の情報・知恵・人財を最大限に有効活用できるようになったのです。いわば国内事業で培われた“Fun & Tasty”のノウハウをそのまま海外で活かせるようになり、大きな違いを日々実感しています。
また、生産や投資に関する知見も同様です。カンパニーの中へ社内の有識者を迎え入れたことで「現状の設備なら何がつくれるか」「この状況なら何に投資すべきか」といった現場の状況に即した視点での議論が盛んになります。結果、ブランディングに代表される認知度向上のための活動に戦力を集中できるようになりました。これはマーケティング分野に興味がある方なら相当面白い環境のはずです。
整いつつある組織とブレない目的を武器に、私の夢は“ジャイアントキリング(大番狂わせ)”!!日本と香港に続く新たな市場でもシェアNo.1を勝ち取ります。大丈夫、カルビーにはこんなにも愛され楽しまれる商品・開発力があるのですから。

Message

日本で培った知名度が通用しない国外の未開拓市場へ進出し、汗を流してカルビーというブランドを現地に浸透させていく。なぜ、そんな苦労をするのか。その根底にあるのは、“私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します。”というカルビーの企業理念そのものです。売上高や市場シェアは、あくまで目標であり手段。最終的に果たすべき目的は、そこにあると私は考えています。
カルビーには、皆さんが知らないさまざまな顔があります。知名度が数%にも満たない異国の小さな事務所を舞台に、チャレンジャーとして熱戦を繰り広げる日々もその一つです。まるで創業間もないスタートアップ企業の社長のような苦労を重ねるその日々に華やかさはありませんが、開拓者としての手応えと成長があります。必要なのは度胸と好奇心、そして開拓精神です。カルビーグループの未来を描く海外事業に興味がある方は、ぜひ門をたたいてください。

※上記内容は、いずれも取材当時時点(2019年11月)のものです