特集持続可能なばれいしょ調達に向けて

1975年に発売した「ポテトチップス うすしお味」は、今年で発売50周年を迎えました。
その製造に欠かせないばれいしょは、九州から北海道まで全国の契約産地から年間37.9万トン(2024年3月期)を調達しており、これは国内のばれいしょ生産量の約19%にあたります。
今回は、持続可能なばれいしょ調達に向けた代表的な取り組みをご紹介します。

気候変動・病害虫に強い品種の開発

カルビーグループの馬鈴薯研究所では、気候変動に適応する耐暑性や生育時期の異なる品種、および病害抵抗性に対応する新たなばれいしょの品種開発に取り組んでいます。2017年にカルビーグループ独自の新品種として登録した「ぽろしり」は、従来の品種に比べて病害虫に強く、収量の増加が見込まれています。今後も国内外の研究機関と連携しながら、2030年までに新たに4品種を出願登録することを目指しています。

北海道で収穫された自社開発品種「ぽろしり」

ばれいしょ栽培のエキスパート集団“フィールドマン”

生産者の栽培・収穫をサポートするために全国で約40名のフィールドマンが活躍し、データに基づいた栽培技術指導や農業の省力化などのサポートを行っています。品質向上かつ単位面積当たりの収量を増やすことは、調達量を増やすだけでなく契約生産者の収入増加にもつながるため、国内農業の活性化に貢献する仕組みです。

農業DXの推進

契約生産者・圃場・栽培・貯蔵などの情報および気象情報を関連づけ、科学的根拠に基づいたばれいしょ栽培技術を推進しています。その一つとして、必要な土壌水分を維持するため、圃場に土壌水分計を設置し、契約生産者のスマートフォンアプリへかん水を行うタイミングを提案することにより、ばれいしょ収量の増加につなげています。

圃場に設置した土壌水分計の端末
土壌水分計による、かん水区と無水区の比較

そのほか、ばれいしょ安定調達のための産地拡大や分散化に取り組んでいます。さらには、年間を通して高い品質を維持するための貯蔵技術を確立し、鮮度管理を行い、必要な時に最適な品質を供給する体制を整えています。