Jagabee開発ストーリー Jagabee開発ストーリー

カルビー創業者、故松尾孝からの開発指示。
製品のコンセプトは「じゃがりこのように固い製品ではなく、自分でも食べられるようなサクサクとした口どけの良いポテトの製品」だった。

Q

Jagabeeの商品開発はどのように始まったのですか?
また、商品のアイデアはどのように生まれたのでしょうか。

発案はカルビーの創業者、故松尾孝でした。
カルビーがじゃがりこ(1995年発売)の展開を決めた時、実は松尾は反対したのです。
その理由は「スナック菓子はサクサクやわらかで、口どけが良いもの」という信念があったことと、松尾自身が高齢で歯が弱かったこと。そこで、じゃがりこ開発の裏側で、当時の開発部長に、フレンチフライをイメージした商品の開発ミッションを与えました。それが、のちにJagabeeの原型となります。

Q

開発はどのように進んだのですか?

じゃがいもそのままのおいしさを楽しむお菓子として、じゃがいもの味と食感には相当こだわりました。
ポテトチップスやじゃがりこと、原料が同じになってしまうと、近い将来、国内で質が良いじゃがいもを大量に確保できる保証がありませんでした。
そこでJagabeeは原料加工拠点を一つ構え、全国のフライ工場に配送する「セントラルキッチン方式」を目指し、アメリカ産のじゃがいもを加工、輸入する事を考えました。
しかし、じゃがいもは生のまま輸入できないため、国内で試作をすることもできません。自らアメリカに、鍋・窯・包丁を送り、試作・評価を繰り返しました。評価したじゃがいもの品種は、国内外で軽く100種類を超えたと思います。

じゃがいもの味にとことんこだわる。
開発担当者がアメリカに渡り、約100品種を超えるじゃがいもの試作を繰り返すことでJagabeeの原型が誕生しました。

Q

じゃがいもの品種以外へのこだわりは?

Jagabeeは「皮付き」にこだわっています。じゃがいものおいしい味が皮の近くにある事と、皮付きであることが自然感・素材感で評価していただけるポイントになっているからです。
Jagabeeの前身である「ナチュラルポテト」をテスト販売した際、皮をむいて販売したことがありましたが、販売は苦戦。その後の調査で「皮付き」が非常に高い評価を受けていた事がわかり、翌年「皮付き」で再スタートしました。
ただし一方で、お客様から「皮由来のご指摘(じゃがいもの緑化・打撲など)」をいただきます。これを除去するなど、現在も商品改善の戦いは続いています。

Q

苦労したことや裏話などありますか?

最初は社内の既存設備を使って生産していましたが、製造上の不具合が多すぎた為、2002年に一旦終了させ撤退する事になりました。生産設備を1から考え直すことになり、原料加工設備やフライヤーの小型テスト機を千歳工場(現・北海道工場)に置いて一人で製品開発を進めました。 ちなみに、この途上で作ったのが「じゃがポックル」で、いまも北海道のお土産品として残ってくれていて、北海道出身の私はとても満足しています。
この時に決めた生産設備を大型化して商品化したのが「ほんじゃが」(Jagabeeの1代前の商品名)で、2005年に全国展開となりました。この商品名は自分達で考えたもので、とても思い入れがありましたが、翌年に「世界にも展開・販売していく」と英語表記の名前に変更となりました。それが今のJagabeeです。
今でも自分としてはJagabeeより「ほんじゃが」という名前に思い入れが強いです(笑)。

生産拠点には全て出向いて、作業や品質管理まで全て指導しました。かなり大変でしたが、色々な地域・国に長期間に渡って行けたことがとても楽しかったです。
また、自分が考えた設備がどんどん形になっていき、関わった多くの方々と深いつながりができました。この人脈は現在の自分にとても大きな力となっています。
現在では、国内に限らず、海外(香港・台湾・韓国・中国・アメリカ・シンガポール等)にも販売エリアを広げています。
特に印象に残っているのは初の海外生産拠点として立ち上げた香港の工場で、現地で盛大なパーティが開かれたこと。香港の工場にはJagabeeのキャラクター『ポッタ』が描かれた社用車もあり、こんなに期待されているんだと実感しました。

全国展開、そして世界に広がっていくJagabee。
開発者からお客様に伝えたいこと。

Q

Jagabeeが完成、発売された時のお気持ちを教えてください。

Jagabeeは、前身商品のテスト販売を含め、何度も発売を繰り返してきました。なので、Jagabeeとしての完成・発売時の強い気持ち感想は特にありません(笑)。
とはいえ、自分が作った商品が店頭に並び、買い物カゴに入れてくださるシーンや、新幹線でJagabeeを食べている方を見ると、いつもとても嬉しく感謝の気持ちがわいてくる、と同時にちょっと恥ずかしい気持ちにもなります。

Q

Jagabeeの作り方は秘密だと聞いていますが、できるところまで教えてください。

難しい質問なので、ひとつだけ。
一番大切なのは原料。おいしいじゃがいもの品種を選んで使うこと。
実はJagabeeは数種類の品種を使っているので、年間を通して少しずつ味が違います。
そのじゃがいもの味を一番おいしく引き出すために、レシピを変えることもあります

Q

開発者として、Jagabeeの魅力はどんなところですか?お客様にどのようなところを楽しんでいただきたいですか?

スナック菓子というのは本来「軽くサクサクしていて、気軽に食べる」ファストフード的なものだと思いますが、Jagabeeは、余裕のある時にゆっくり落ち着いて、じっくりとじゃがいもの味を味わって、楽しんで食べていただきたいです。
Jagabeeは世界中のスナック菓子の中で一番じゃがいもの味が強くおいしく、独特な食感も楽しんでいただける商品だと自負しています。