2023/11/29

縁の下の力持ち。地域おこし協力隊・宮澤竜大さんと「miino粟島一人娘プロジェクト」

11月、粟島の青大豆「一人娘」はついに収穫の時期を迎えました。
今年1年、ファンの皆さんたちと種まき、雑草抜き、土寄せと取り組んできたので感慨もひとしおです。これから一粒一粒、手作業で収穫する一人娘は、来年「miino一人娘」となってみなさんの元へ届く予定です。

カルビー「miino粟島一人娘プロジェクト」に参加する人々を紹介するシリーズの第3回目は、粟島浦村で活動する地域おこし協力隊の宮澤竜大(りゅうだい)さん。

栽培支援ツアーに参加した方にはすっかり顔馴染みの宮澤さんは、このプロジェクトを支える縁の下の力持ち。宮澤さんにとっての「miino粟島一人娘プロジェクト」とはいかに?

粟島浦村の地域おこし協力隊として「鹿の駆除」などを行う有害鳥獣専門員として活動されているとのこと。島に移住されたのはいつですか?

2022年5月からなので1年半くらいになります。

粟島の地域おこし協力隊になろうと思ったきっかけは?

地域おこし協力隊になる前は大学の工学部で学生をしていましたが、ちょうどコロナ禍になり、直接人と繋がれる機会がなくなっていました。

授業ではオンライン越しに人と話はしますが、でもそれだとなにかつまらないし、就職してもしばらくこういう状況が続くんだろうなと思って研究室の教授に相談したら、こういう仕事があるよと紹介してくれました。

大学には粟島の鹿やオオミズナギドリなどの調査をしている先生もいらっしゃって、島の話はよく聞いていたので、粟島で暮らすのも面白そうだなと思い、地域おこし協力隊に応募しました。

工学部の学生からいきなり島で鹿を捕まえる仕事とは、なかなかすごいジャンプですね。

もともと高校、大学と趣味で山に通っていて、狩猟にも興味がありました。ただ狩猟免許をとって猟をするとなるとハードルが高い。粟島では研究を目的とした捕獲もできるのでハードルの低さを感じました。

地域おこし協力隊になる前に、粟島に来たことはあったのですか。

私は新潟県新発田市の出身なので、小学生の時に家族旅行で1度来たことがありました。
海水浴場にバンガローがあって、宿泊したり、バスで島を一周したり、すごく楽しくて印象的でした。去年久しぶりに来た時も、景色があまり変わってなくて、すごく良いなと思いました。

昨年5月に島に来てすぐに「miino粟島一人娘プロジェクト」にも携わっていただいていますが、プロジェクトでの役割をお教えいただけますか。

私は主に栽培支援ツアーで皆さんと一緒に作業をしたり、ツアーが行われていない時に粟島観光協会の皆さんと一緒に一人娘の栽培管理をしたり、細かいことも含めていろいろ裏方的な作業を担当しています。

農業はもともと好きでしたか?

いえ、大学は工学部だったので農業に興味はなかったんですが、在学中にコロナで外出できなかった時に、趣味として鉢植えで果物を育てたりしていました。粟島に来てからは自分でも畑をするようになって、はじめて農業が楽しいと思うようになりました。

それから、カルビーが一人娘を栽培していると知って、一島民として製品化にまで持っていきたいなと思い、いろいろと手伝うようになりました。

栽培支援ツアーでは全国からさまざまな方が参加されていて、コミュニケーションをとることも多いと思います。そのなかで感じたことなどはありますか。

島の人は、島に来てくれた人に農作業だけじゃなく、島の料理や味噌づくりのような体験など、自分たちが今までずっとやってきたことを「伝えたい」という思いが強いんだな、とすごく感じています。

一方、ツアー参加者もほとんどが初めて島に来る人だと思いますが、島独自の文化などに興味を持って、いろいろと聞いてくれます。

「伝えたい側」と「知りたい側」に、会話を通じて良い関係が生まれているんじゃないかと思います。

私は島の人とかなり喋る方なんですけど、島の方言は新潟本土の方言とも違うので、いまだにわからない言葉があったり、島の文化や歴史などでも、初めて知ることもまだまだ多いんです。

もっと勉強して、島に来た人に島民の立場でいろいろ話したり教えたりできるようになりたいなと思っています。

この先、miino粟島一人娘プロジェクトに期待することを教えてください。

まずは生産量の拡大に尽きます。高齢化により島では耕作放棄地がどんどん広がっています。耕作放棄地が増えると鹿などが増え、人と自然との境界線がどんどん狭くなってしまうため、それを防ぎたいという意味でも、生産量を増やしたいです。

あとは人手が本当に足りません。今は栽培支援ツアーにしろ、収穫作業にしろ、島のおばあちゃんたちががんばってくれていますが、手伝ってくれる人も高齢化しているので、栽培についても、機械化できるところは機械化したいというのが本音です。

作業をもう少し楽にでき、ツアーで来られる方にも今以上の体験を提供できれば、島の魅力ももっと伝えられるようになると思います。

最後にこの記事を読んでくれているカルビーファン、粟島ファンの方に向けてメッセージをお願いします。

栽培支援ツアーについては、粟島としてもまだまだ模索中のところもありますが、みんなに粟島に来てよかったと思ってもらえるものにしていきたいですね。

一人娘はおいしさだけじゃなく、一人娘をきっかけにいろいろな体験ができると知ってもらえるよう、まだ島に来たことがない人がツアーに申し込んでくださったり、来たことのある人が周りの人にどんどん勧めてもらえるよう、これからも一生懸命続けていきたいです。

それと、私は島のおばあちゃんとは孫のような関係になっているんですが、この栽培支援ツアーにはおじいちゃんっ子、おばあちゃんっ子だった人にとっては、大好きな要素が詰まっていると思います。