じゃがいも栽培には欠かせない種芋生産の裏側 ~Part2~
こんにちは!
じゃがいも生産には欠かすことのできない“種芋”。この種芋がどのように栽培されているかご存知ですか?実は、じゃがいもを栽培するよりも難しいと言われており、すごくたくさんの手間ひまをかけて作られているんです。
そこで、青森県弘前市で種芋生産をされている「黄金崎農場」さんを訪ね、種芋栽培についてのお話しを伺いました!
▶前編はこちらから
後編では、「黄金崎農場」さんに関することや、種芋生産の課題とこれからへの想いについてお届けします。
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-黄金崎農場さんが種芋の栽培を始めたのはいつ頃からですか?
1976年に会社が立ち上がり、1980年に種芋の栽培を開始しました。今は種芋の他に大根やレタス、人参など全10種の作物を栽培しています。
-種芋栽培をはじめられたきっかけは何だったのでしょうか?
会社設立後、最初に栽培を始めたのは、実は加工用のじゃがいもなんです。その当時、加工用のじゃがいもの栽培に使用していた種芋の品質が悪く、その影響で栽培にも影響がでていました。そこで、先代が「これではダメだ」と、自分たちで種芋を作ることにしたのが始まりでした。
-現在、黄金崎農場さんでは何種類の種芋品種を栽培されているのですか?
現在は約30種類を栽培しています。以前はもう少し多くの品種を扱っていたのですが、品種ごとに管理方法が異なるため、すべてを完璧に管理するのが非常に難しくなりました。そのため、管理の精度を高めるために品種の数を絞ることにしたのです。
-それでも30種それぞれの特性を理解するのは大変そうですね。
そうですね。前年に起きた問題を翌年に反映させながら品種ごとの管理を行っているので、品種特性を把握するまでにはどうしても時間がかかります。過去のデータを活用しながら、さまざまな状況に対応していかなければなりません。
-栽培の面でいうと、気候変動が問題視されていますがその点ではどうでしょう?
近年の気候変動は種芋栽培にも大きな影響を与えています。3年前には線状降水帯による大雨で種芋が水に浸かって腐ってしまったり、傾斜のある畑では土ごと流されてしまったりしました。一方で、翌年は高温干ばつに見舞われ、種芋が思うように成長しませんでした。
-それは大変深刻な問題ですね。
毎年いろいろな対策を考えていますが、干ばつ対策だけは難しく、まだ抜本的な解決策が見つかっていないのが現状です。カルビーポテトさんにもアドバイスをいただきながら、少しずつ前進できればと思っています。
-カルビーポテトの種芋対策チームはどのように役立っていますでしょうか?
栽培における課題や、品質向上のためのアイデアなどを相談すると、いろいろなアドバイスをいただけます。幅広く収集されている情報の中から、私たち生産者の目線に立って一緒に考えてくださるので、大変ありがたく感じています。
↓(左から)カルビーポテト種芋対策チーム 山本さんと黄金崎農場 東さん
-東さんが考える種芋の重要性について聞かせてください。
種芋がなければ、ポテトチップスやフライドポテトなど、じゃがいもを使った商品は作れません。じゃがいもは“第3の主食”とも言われるほど重要な作物なんです。海外と比べると日本の規模は小さいですが、手間をかけて品質の高い種芋を作ることを心がけています。
-そうやって大変ながらも種芋栽培を続けてくださる生産者の方がいるからこそ、私たちは美味しいじゃがいもを食べられるんですね。ほんとに感謝です!
ありがとうございます。これからも種芋生産を続けていくことが私たちの目標です。そのためには品質をしっかり守ることが大事ですが、冷蔵施設が足りないなど、まだまだ課題もあります。何が必要かを考えながら、変わらない品質で届けられるよう頑張りたいと思います。
-最後に、読者の方々にメッセージをお願いします。
農業は大変な仕事ですが、とてもやりがいがあります。私たちは日々、じゃがいもを作る喜びと、皆さんに美味しいじゃがいもを届けたいという思いで頑張っています。ぜひ、農家の努力や想いを知っていただき、国産のじゃがいもを応援してもらえると嬉しいです。これからも良い品質の種芋を作り続けられるよう頑張ります!
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