じゃがいもの“はじまり”に、いま何が起きているのか。
カルビーグループの商品の原料となる“じゃがいも”。そのじゃがいもは、「種芋」と呼ばれる専用のじゃがいもからできています。
今回は、そんな種芋を取り巻く現状や課題、そして2026年度よりカルビーポテトに新設された「種いも対策課」の取り組みについて馬鈴薯事業本部 種いも対策課 課長の三浦崇則さんにお話を伺いました。
2016年~2018年 カルビーポテト美瑛支所 支所長
2019年 カルビーポテト女満別支所 支所長
2020年~2022年 カルビーポテト斜里支所 支所長
2023年 カルビーポテト十勝馬鈴薯事業所 所長
2024年~2025年 カルビーポテト南十勝馬鈴薯事業所 所長
2026年~現在 カルビーポテト種いも対策課 課長
― 種芋の生産現場で、いまどのような課題が起きていますか?
ここ数年、種芋をつくる現場ではさまざまな変化が起きています。
天候の影響でじゃがいもの収穫量や品質が安定しにくくなったり、病気や害虫のリスクが高まったり…。さらに、生産者の高齢化や人手不足といった課題も重なり、現場の負担は少しずつ大きくなっています。中でも、病気にかかった株の【抜き取り作業】は、栽培中に何度も行われますが、すべて人の手で行われるので、労働力不足の影響を受けやすく、現場の大きな負担となっています。
▼過去の記事はこちら
じゃがいも栽培には欠かせない種芋生産の裏側 ~Part1~|じゃがいもDiary|カルビー
じゃがいも栽培には欠かせない種芋生産の裏側 ~Part2~|じゃがいもDiaryルビー
― 今の状況が続くと、どのような影響が懸念されますか?
種芋は、どこでも自由に栽培できるわけではなく、病気の拡大を防ぐため、国の検査制度や各地域の基準に基づいて、限られた条件のもとでのみ生産されています。
日本の種芋は、北海道をはじめ全国11の道府県で生産されていて、その中でも、北海道が全体の約98%を担っています。こうして北海道に種芋生産が集中している一方で、近年は天候の変化や労働力不足などにより、北海道でも安定して種芋をつくることが難しくなってきています。
そのため、本州など北海道以外の地域へ出荷するための「道外向け」の種芋は、年々確保が難しくなっているのが現状です。このままの状況が続くと、日本全体としても種芋の安定供給や品質の維持が難しくなる可能性があります。
さらに、品質の低下が起きた場合には、一般の畑でのじゃがいも栽培にも影響が広がり、最終的には国内のじゃがいも供給全体に影響が及ぶことも懸念されています。

―カルビーポテトの【種いも対策課】は、どのような背景から新設されたのでしょうか。
「種芋」は、じゃがいも生産の“スタート”であり、産地を支える基盤です。一方で、課題は複雑化しており、個人の努力だけでは対応が難しくなってきたと考えています。
そのため、カルビーポテトとして社内の各部署はもちろん、生産者や関係機関と連携しながら、中長期的に種芋の供給体制を強化するために新設されました。
― どのようなことを目指して取り組んでいますか。
まずは、現在不足している北海道以外の産地向けの種いもが安定して供給できる体制づくりに取り組んでいます。そのために、生産者や関係機関、社内の各部署と連携しながら、新たな産地づくりや生産体制の整備を進めています。
あわせて、5年後・10年後も続けていけるよう情報を収集し、種芋栽培の一助になるような技術の発信にも力を入れていきたいと思っています。
― 種いも対策課として、課題に向き合ううえで大切にしている考え方を教えてください。
私たちは、「現場から考えること」と「将来を見据えること」の2つを大切にしていきます。
目の前にある、北海道以外の産地向けの種芋の不足といった課題に対応するだけでなく、北海道の産地がこれからも安定して種芋をつくり続けていけるように、環境づくりや技術の発信にも取り組んでいきたいと考えています。
―読者のみなさまへひとことお願いします。
種芋は、じゃがいもづくりを支える大切な“はじまり”の存在です。私自身も本格的に携わるのは初めてですが、その重要性を改めて感じています。
これからも、種芋への取り組みに少しでも関心を持っていただけたらうれしいです。
▲カルビーポテト 馬鈴薯事業本部 種いも対策課の皆さん
普段はあまり意識されることのない部分ですが、その裏側ではさまざまな課題と向き合いながら、生産が続けられています。こうした取り組みがあるからこそ、カルビーグループでは、多くの方にじゃがいもを使った商品を安定してお届けできています。
次にじゃがいもを手に取るとき、その“はじまり”を少し思い出していただけたら嬉しいです。
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