馬鈴薯研究所の夏 ~交配作業・果実~



じゃがいもの花、やっぱり可憐です♪

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前回の記事でご紹介した“水やり”の隣の温室では、大きなじゃがいもの鉢が並んでいます。
こちらは交配用です。花を咲かせて受粉、そして果実(その中の種)を採るために育てています。

交配をするためには、雄しべ(花粉)と雌しべ、つまり花がたくさん必要です。
通常のおよそ10倍の肥料と日照時間のコントロールで、人の背丈ほどの大きさに育てることで、たくさんのつぼみを付けます。


そして開花直前の段階で、花から雄しべを取り除きます。


花粉用の鉢からとった雄しべからは、花粉を採ります。この道具は、研究所の知恵!ブラシ部分を無くした電動歯ブラシで作りました。
 


自分の花粉で受粉しないよう、あらかじめ雄しべを取り除いてから、他の品種の花粉を、別の品種の花の雌しべに付けていきます。
間違えないように、それぞれの花にタグでしっかり記録。
 


しばらくすると、花びらが落ちて、果実ができます。まだ小さいですが、同じナス科の「トマト」にそっくり。
 


どの果実の、どの種が将来の「新品種」になるのかは十数年後に決まります。
今の作業の結果がでるまで、気の遠くなる時間がかかります。
それでも、この作業が無いと十数年後に「新品種」は生まれません。
次の世代のための仕事です。


それにしても、じゃがいもの花、綺麗ですね。
間もなく、満開のじゃがいも畑の季節です。

担当S より

コメント(3)

  • 投稿者 | マキバオーの姉
    気の遠くなる様な作業が有って新品種が生まれるのですね
    自分の雄花で受粉しないように取る作業も大変。受粉・果実・種繰り返し。10倍の肥料と日照時間でコントロールしておイモは通常通りなるのでしょうか?1度の受粉で新品種がなんてことはあり得ませんか?
  • 投稿者 | にゃん♪
    凄く細かな作業なんですね。
    じゃがいもの花とても可愛くて好きです♡
    トマトそっくりの実からまた種を取って・・・研究所って大変そうですがとても面白そうです。
  • 投稿者 | おさるさん
    美味しいものは、研究のおかげですね。ありがとうございます。

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