土の専門家に聞く、土のこと、ポテトバッグのこと。

2022.03.02 #ポテトバッグ


「ポテトバッグ」を共同開発いただいた、土の専門会社「プロトリーフ」で働く土の専門家、飯山さんに土のこと、ポテトバッグのこと、そして土の仕事についてを伺いました!

 
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ー土の専門家、どんなお仕事なのですか?「ポテトバッグ」についても教えてください!
はい、まずここでは学術的な土の定義ではなく、私たちプロトリーフでいう「土」についてお話いたしますね。私たちは「根を育てる媒体の研究を極める」という理念のもとに、土を開発し、販売しています。私自身の仕事はその媒体を追究することが仕事です。
 
先ほどの理念と同時に、“環境に負荷をかけない。土を掘らない開発”というテーマも掲げていて、この「ポテトバッグ」のもとになるココヤシピートは、これまでインドやスリランカで廃棄されていた未利用資源を再利用したもので、10数年前に開発し、他社の先駆けになったと自負しています。
 
↓「ポテトバッグ」もココヤシピートを使っています。

 
↓こちらがココナッツの殻の内側です。柔らかい繊維の部分が使われず廃棄されていました。

 
↓ココヤシの内側の繊維を粉砕し、天日干ししている状態。遠くから見ると「土」に見えますね。

 

ー「ポテチバッグ」開発はスムーズに進んだのですか?
はい、じゃがいもにあう土については、カルビーポテト・馬鈴薯研究所での研究・知見がすでに多くあったので、そのエビデンスを元に試行錯誤しつつもスムーズに進行しました。栽培テストで得た結果から、根つきを良くしたり、じゃがいもの成長にあわせて効果がでるような肥料配合を工夫しました。
 

 
栽培テストは3~4年かけて行いました。土のテストと、袋栽培のテストもしました。カルビーポテトさんから「ポテトチップスの袋で育てられないかな」とリクエストがあったので、本物のカルビーポテトチップスの袋での栽培試験もしたんですよ(笑)
 
↓よ~く見ると、、、手前はカルビーポテトチップスの袋です!

 

ー3~4年もじゃがいもを育ててくださったのですね!開発で工夫された点などありますか?
じゃがいもは地中で育つので袋の内側が黒色の素材を使ったり、袋のマチの部分も最初は多く取っていたのですがご自宅での栽培を考慮してスペースをなるべく取らない、でも栽培に必要なサイズにして包材の形もこだわりました。

最初の1~2年での栽培テストの結果をもとに、包材や土の構成が決まった段階で社内の従業員の自宅でテスト栽培もしました。各家庭で条件が異なるので、どのぐらい太陽に当たったか、日陰でどのぐらい育つかなど確認しました。
 
↓多い年では約80個以上ものテスト栽培を重ねたそうです。

 
↓テスト栽培で収穫したじゃがいも!こんな風に収穫できるといいですね!

 

ーテスト栽培中に得た栽培のコツなどはありますか?
栽培のコツは、とにかく日当たりです!また「ポテトバッグ」は袋で栽培する関係上、地熱の影響を受けやすいので、すのこのような台に乗せていただくといいと思います。
日当たりが良くない場合は、「ポテトバッグ」自体軽いですので、置き場所を1日のうちに移動しても大丈夫です。
今年も皆さんと同じ「ポテトバッグ」でテスト栽培をしますよ!
 
↓今年の「ポテトバッグ」テスト栽培の植え付けも完了!(関東以西の植え付けまだの皆さん、そろそろ植え付けですよ!)

 
↓植え付けは袋の奥深くに!植え付け直後、お水をあげたら発芽まではあげすぎ注意です!土が乾いたらあげてください。

 

ー飯山さんはどんなきっかけで土の仕事をされているのですか?
学生時代は“世界の貧困地域の農業の活性化”をテーマに経済自立できる農業について学んでいました。
土は身近だけど、普段あまり意識しないですよね。でもこの土壌の中にはたくさんの情報が入っていて、まだまだ解明されていないこともたくさんあるんです。興味が尽きないですね。

 

ー現代は都市化が進んで、土や農業が遠ざかっている方も多く「ポテトバッグ」に虫はつかない?との質問もいただいています。
そうですね、「ポテトバッグ」自体は原料のココヤシピートの輸出入の時点で防疫上くん蒸処理しているので海外からの虫はいません*。(*栽培中に虫が発生する可能性はあります)
多くの方は、虫だけでなくカビなども敬遠されると思うのですが、私からすると植物にとってはご馳走だったり、豊かな土には必要なものなので、楽しんでいただけたらと思います。
 
じゃがいも栽培は、種いもを植えてから発芽までの期間が長いですし、収穫は葉っぱが枯れてから、とお世話も多くないです。つい、じゃがいもばかりに気持ちがいってしまいますが、成長する葉も花も枯れる色もきれいなので、もしあまり収穫できなかったとしても、楽しんでいただけたらうれしいです。
 

ー次の“土”は探されていますか?
はい、ゴミだと思われているものを植物の媒体にできないか、と常にアンテナを張っています!もう製品化しているところでは、コーヒーかすで作った土のリサイクル材などがあります。

 
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さすが、土のプロフェッショナル会社の土の専門家、とあって土への愛情と興味が尽きない取材でした!
 
●プロトリーフYouTubeでは、じゃがいも栽培のコツや実際の様子を動画でアップ予定だそうです!
「ポテトバッグ」だけでなく、今年じゃがいも栽培予定の皆さんにも参考になると思います!皆さん一緒に楽しんでいただけたらと思います!

コメント(2)

  • 投稿者 | ロミオ
    ココヤシビートを私も欲しいです。プランターを使用することなく、土袋そのものを使って手軽に、私もココヤシビートでじゃがいもを育ててみたいです。
  • 投稿者 | 摂氏27度
     ポテトバッグで育てた春じゃがいもの収穫が終わったのですが、土は追肥すれば秋植えにも使えるのでしょうか。そんな情報があれば教えてほしいです。
     収穫のときに掘り起こした土には、小さいアリがたくさん生活していて、あんまり好きな光景ではなかったのですが、この中にも自然が出来上がっているのかなと、感心しました。

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