研究成果
(学会発表・研究論文)

  • 学会発表

低油分タイプのポテトチップスではより多くの葉酸を含有していることを確認
「ジャガイモおよびその主原料スナック菓子中の葉酸含有量」
日本調理科学会平成18年度大会においてカルビー株式会社基礎研究チーム発表
2006.09.08

背景

葉酸はビタミンB群の一つでタンパク質の代謝や核酸合成に必須です。細胞の分裂や機能を正常に保つために重要な役割を果たしています。そのため、胎児や乳児の脳や神経の正常な発達をたすけるはたらきがあります。
妊娠している人は一日に400マイクログラム摂取することが目標量とされていますが、2006年4月に開催された日本産科婦人科学会大会では「90%以上の妊婦では不足している」との報告がありました。
ポテトチップスには生芋の約2倍の葉酸が含まれています。葉酸は熱に弱いビタミンですが、ポテトチップスの調理は短時間で完了し、しかもジャガイモに含まれる水の気化熱によって品温は100℃近辺に保持されているため、調理による損失は最小限に抑えられます。その一方で脱水による濃縮の効果がはたらくためフライ調理によって含有量が増加するのです。

目的

じゃがいもの品種、とくに加工用品種による葉酸の含有量の違いがあるのかどうか調査しました。
また、カルビーでは独自製法により油分をカットした低油分タイプのポテトチップスも製造しています。油分が低いということはその分ジャガイモ由来の固形分の比率が高まるため、葉酸がより高含有していることが期待されます。
そこでカルビー株式会社基礎研究チームでは、低油分タイプのポテトチップスに含まれる葉酸含有量について調査しました。

研究内容

市販されているポテトチップスの葉酸含有量を通常タイプと低油分タイプで比較調査しました。
図1.ポテトチップスの葉酸含有量
ポテトチップスの葉酸含有量は原料のジャガイモ品種に大きく依存しています。
通常タイプのポテトチップスの場合、トヨシロが原料の場合は製品100グラムあたり30マイクログラム程度の、スノーデンが原料の場合は製品100グラムあたり60マイクログラム程度の葉酸を含有しています。
一方、低油分タイプのポテトチップスの場合、トヨシロが原料の場合は製品100グラムあたり50マイクログラム程度の、スノーデンが原料の場合は製品100グラムあたり100マイクログラム程度の葉酸を含有しています。
図2.ポテトチップスの葉酸含有量を油分を差し引いて比較すると
ポテトチップスの葉酸含有量は通常タイプ、低油分タイプの間で差がみとめられました。
図2.は製品から油分を差し引いて補正した場合の葉酸含有量を表しています。通常タイプに比べ低油分タイプの方が明らかに葉酸含有量が多く、油分が少ないことだけでは説明ができないことがわかります。低油分タイプのポテトチップスはじっくり丁寧にフライしており、葉酸の損失も少ないのです。

まとめ

[ 1 ]  ポテトチップスに含まれる葉酸含有量はジャガイモの品種に大きく依存しました。これは低油分タイプでより顕著でした。
[ 2 ]  低油分タイプのポテトチップスの方が葉酸をより多く含んでいました。
[ 3 ]  低油分タイプのポテトチップスに葉酸が多く含まれているのは、油分を差し引いた固形分含量が多いことだけに起因するのではなく、フライ調理中の葉酸の分解も少ないことが示唆されました。

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