マテリアリティ

企業を取り巻く環境を見ると、気候変動や資源枯渇などの環境問題をはじめ、サプライチェーン上の労働負荷の問題、人権問題などの多岐にわたる社会課題があります。カルビーグループが将来にわたって経済活動を継続するためには、このようなさまざまな社会課題をベースに企業活動への影響を認識・評価し、取り組むべき経営課題を明確にする必要があります。今回、「ステークホルダーにとっての重要度」と「自社における重要度」の二つの側面で重要課題を特定しました。これらの重要課題に優先的に社内資源を配分することで、経営のリスクを回避し、イノベーション創出の機会を捉えて、ステークホルダーへの価値を提供するとともに、中長期的な成長を実現することを目指します。

マテリアリティ特定のプロセス

  1. Step1
    社会課題の
    整理
    • SDGsなどを参考に、社会課題をリストアップ
    • そのうち、カルビーグループと関係のある社会課題を特定
  2. Step2
    マテリアリティ
    マップの作成
    • カルビーグループと関係のある社会課題の重要度を評価し、マテリアリティマップを作成
    • マテリアリティマップをもとに、マテリアリティ案を仮定
  3. Step3
    妥当性の
    検証
    • ワークショップを開催し、社内の意見を取り込み
    • 外部有識者へのヒアリングを実施
  4. Step4
    マテリアリティ
    の特定
    • 社内と有識者の意見を踏まえて、マテリアリティを最終特定

マテリアリティマップ

自社における重要度
ステークホルダーにとっての重要度
  • 1食の安全・安心の確保
  • 2ライフスタイル変化への対応
  • 3農業の持続可能性向上
  • 4安定的な原料調達
  • 5脱炭素社会の実現
  • 5資源循環の推進
  • 5生態系保全
  • 27健康維持・増進
  • 6人・地域社会・コミュニティとのつながりの創出
  • 8事業継続性の強化(BCP)
  • 8情報セキュリティの確保
  • 1消費者課題の解決
  • 4サプライチェーンマネジメントの効率化と物流の安定的な確保
  • 7多様な人財の活躍・育成
  • 5環境汚染防止・環境配慮
  • 7労働環境の整備
  • 78人権の尊重
  • 8公正な事業慣行
  • 2食ニーズの多様化への対応
  • 8適正なガバナンス体制の構築

サステナブル経営の推進体制

2019年12月に、アドバイザーとして外部有識者を含めた体制で「サステナビリティ委員会」を設立しました。サステナビリティ委員会では、カルビーグループのマテリアリティの決定と、各分科会で推進する重点テーマのロードマップの審議および進捗状況のレビューを行っています。また、その内容を取締役会に定期的に報告しています。

取締役会

報告

サステナビリティ委員会

テーマ特定・
モニタリング

戦略決定・
進捗報告

重点テーマ別分科会(戦略の実行推進)

マテリアリティに基づく重点テーマと主な施策

カテゴリ マテリアリティ 重点テーマと主な施策 目標(KPI) 2021年3月期実績 SDGsとの対応
商品を通じた貢献 1 食の安全・安心の確保 安全・品質に関する予防と監視
安心への取り組み
お客様の声を活用した商品改善
- - 3.すべての人に健康と福祉を 12.つくる責任 つかう責任
2 健やかさと多様なライフスタイルへの貢献 健やかさに配慮した商品の提供
  • 製品塩分量の段階的削減
  • タンパク質を多く含む商品の売上構成拡大
2024年3月期
  • 販売商品の塩分相当量
    20%削減

    (2019年3月期比)
  • タンパク質を多く含む商品※2売上構成比 10%
  • 販売商品の塩分相当量 5.4%削減
  • タンパク質を多く含む商品の売上構成比 4.8%
2.飢餓をゼロに 3.すべての人に健康と福祉を
サプライチェーンを通じた貢献 3 農業の持続可能性向上
4 原料調達・物流の効率化と安定的な確保
環境に配慮した持続的な調達: 馬鈴しょの安定調達
  • 品種の開発、科学的栽培の推進
  • 農作業の省力化
  • 産地の分散化、供給先の多様化
2024年3月期
  • 国産馬鈴しょ調達量 40万トン
    (2019年3月期比:20%増)
  • 国産馬鈴しょ調達量 34.2万トン
2.飢餓をゼロに 8.働きがいも 経済成長も 9.産業と技術革新の基盤をつくろう 12.つくる責任 つかう責任
環境に配慮した持続的な調達:認証パーム油の使用
  • B&C(ブック&クレーム)によるクレジットの入札・購入
  • マスバランス認証マーク使用に向けた取り組みの推進
2030年
  • 認証パーム油 100%使用
  • 2020年5月~ B&Cクレジット購入
  • 2021年7月~ MB認証油購入開始
地球環境・コミュニティへの貢献 5 地球環境への配慮 温室効果ガス排出量削減
  • スコープ1、2における削減
    電力購入先の転換、省エネ活動、工場発電等
  • スコープ3における削減
    段ボールサイズの変更、配送頻度減・積載率向上
2030年
  • 温室効果ガス総排出量 30%削減(2019年3月期比)
温室効果ガス総排出量 0.6%増加
  • Scope1:2.3%削減
  • Scope2:17.3%削減
  • Scope3:4.7%増加
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに 12.つくる責任 つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
資源保全/循環型社会の実現
  • 製品フードロス削減
  • 水使用量削減
  • 3Rの促進
2024年3月期
  • 製品フードロス 20%削減
    (2019年3月期比)
2030年
  • 水の総使用量 10%削減
    (2019年3月期比)
  • 廃棄物排出量 10%削減
    (2019年3月期比)
  • 製品フードロス 74%増加
  • 水の総使用量 6.5%増加
  • 廃棄物排出量 4.3%削減
プラスチック容器代替・削減
  • 石油由来プラスチック包材の削減
  • 代替原料への転換やリサイクルの促進
2030年
  • 環境配慮型素材 50%使用
2050年
  • 環境配慮型素材 100%使用
アールプラスジャパン社へ資本参加
6 人・地域社会・コミュニティとのつながりの深化 フードコミュニケーションの活性化
  • スナックスクール(食育)の拡張
  • 工場見学の活性化、進化
2024年3月期
  • フードコミュニケーション※3参加者数 累計(5カ年)40万人
フードコミュニケーション参加者数
  • 2ヶ年累計 107,714人
8.働きがいも 経済成長も 12.つくる責任 つかう責任
地域社会への貢献
  • 環境領域での活動拡大
  • 健康(健やかさ)領域の活動強化
- -
経営基盤の確立 7 多様性を尊重した全員活躍の推進 ダイバーシティ&インクルージョンの推進
人財育成の強化
働き方改革
2024年3月期
  • 女性管理職比率 30%超
  • 男性育児休業取得率 100%
  • 障がい者雇用率 2.5%
  • 女性管理職比率 21.8%(2021年4月)
  • 男性育児休業取得率 26.5%
  • 障がい者雇用率 2.58%
3.すべての人に健康と福祉を 5.ジェンダー平等を実現しよう 8.働きがいも 経済成長も 9.産業と技術革新の基盤をつくろう 10.人や国の不平等をなくそう
8 コーポレート・ガバナンスの強化 コーポレート・ガバナンス組織・体制の整備
コンプライアンス・リスク管理の強化
ステークホルダーの人権の尊重
- - 8.働きがいも 経済成長も 9.産業と技術革新の基盤をつくろう 10.人や国の不平等をなくそう
  • ※1 販売した全商品重量に占める販売した全商品の塩分含有量
  • ※2 総エネルギー摂取量に占めるタンパク質の構成比が13%以上のもの
  • ※3 カルビー・スナックスクール、工場見学等の食育活動
    認証パーム油および製品フードロスの削減目標はカルビー株式会社および国内カルビーグループ、その他の指標はカルビー株式会社を対象とする

マテリアリティ特定にあたっての有識者コメント

マテリアリティの妥当性について外部の視点も交えて検証を行うため、3名の有識者の方にヒアリングを実施し、いただいた意見を踏まえてマテリアリティを特定しています。

CSRアジア日本代表
赤羽 真紀子

現在、グローバルな食品会社において頻繁に議論されている社会課題として「栄養へのアクセス」が挙げられます。

これには栄養を摂取しすぎて肥満や成人病が増加するという問題と、栄養価が高い食品へのアクセスが難しく貧栄養になってしまうという二通りの問題があります。

カルビーグループのマテリアリティには、「健やかさと多様なライフスタイルへの貢献」が掲げられていますが、これは、世界で注目が高まる「栄養へのアクセス」という社会課題の解決に対して、食糧資源の良さを活かし、健康に役立つ安全な商品を提供するという創業の哲学を受け継ぐものであり、カルビーグループのビジネスとして貢献できることが評価できるものと考えております。

今後、海外展開を進めていくにあたっても、カルビーらしい方法で社会課題の解決に積極的に取り組んでいくことを期待しています。

公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会
代表理事 副会長
大石 美奈子

サステナブルな商品選択は、原料調達から製造、流通、廃棄・リサイクルに至る「商品の一生」を知ることから始まります。

企業はどのようなエネルギーを使っているのか、サプライチェーン全体で労働環境は守られているかなど、環境やエシカル(倫理的)な視点も加えて商品を選びたいと考える消費者は確実に増えています。

カルビーグループの事業活動においては、認証パーム油の調達、再生可能エネルギーの使用、プラスチック容器の削減等に消費者の関心が高まっています。

食べることは生きることであり、からだと心の豊かさの基本です。

その意味から、カルビーグループは常に私たちの身近にあり、時代のニーズに応えてこられたと感じています。

環境や社会の課題に対してサプライチェーン全体で率先して取り組むとともに、「商品の一生」への思いを積極的に発信し消費者とのコミュニケーションを深めることで、持続可能な食の未来を共につくりだしていきましょう。

立教大学21世紀社会デザイン研究科 特任教授
河口 真理子

「農業の持続可能性向上」をマテリアリティとして特定されたことは、自然の恵み、自然の力を大切にする企業カルビーグループのこれからの経営の根幹と思量します。

農業は気候変動や生物多様性にも大きな影響を受ける一方、温室効果ガス排出や土地の改変により地球環境にも大きな影響を与えます。

また食の持続可能性を考える上では、食料の3割といわれるフードロス削減は喫緊の課題です。

今後取り組みを加速させることを期待しています。

新型コロナウイルスへの対応については、今の事業環境を前提としたBCP(事業継続計画/Business Continuity Plan)だけでなく、人々の働き方や健康への意識、購買志向の変化など、企業を取り巻く事業環境や社会的な重要性がさらに大きく変わる可能性を考慮する必要があります。

新型コロナウイルスによる中長期的な影響が見えてくるタイミングで、今回定めたマテリアリティと取り組むべきテーマについても改めて見直しを行うと良いでしょう。