マテリアリティ
未来のために
私たちが取り組む
5つのマテリアリティ
カルビーグループはサステナビリティ経営の中心戦略として、マテリアリティ(重要課題)において決定した重点テーマに取り組んでいます。取り組むべき社会課題を明確にするため、「ステークホルダーにとっての重要度」と「自社における重要度」の二つの側面からマテリアリティを特定し、それぞれに重点テーマを設定しました。重点テーマ別分科会を設置し、役員をオーナーとして、各重点テーマにおける戦略の立案・実行を推進しています。
また、変化する外部環境に対応するため、定期的にマテリアリティをアップデートする必要があります。自然資本の重要性の高まり、気候変動対策、人権問題の顕在化などを踏まえ、2022年にマテリアリティの見直しを行い、5つのマテリアリティと13の重点テーマに再特定し取り組みを進めています。これらの重点テーマに優先的に社内資源を配分することで、経営へのリスクを回避し、イノベーション創出の機会ととらえ、中長期的な成長を実現することを目指しています。
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人々の健やかなくらしと
多様なライフスタイルへの貢献食の安全・安心や健康意識の高まりを背景に、ライフスタイルや食の楽しみ方も多様化しています。バリューチェーン全体で、安全・安心な品質保証体制の強化とフードコミュニケーション活動を始めとしたライフスタイルへの貢献を行います。
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農業の持続可能性向上
自然素材を活用して商品をお届けするカルビーにとって、農業が健全に営まれ続けることは、とても重要です。農業の生産性向上や農業と密接に関わる自然資本の保全に向けた栽培技術を推進していきます。
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持続可能な
サプライチェーンの共創原料の調達から生産、物流、販売までのサプライチェーンを脅かすさまざまなリスク(気候変動、人権問題、労働環境への懸念など)が存在しています。ステークホルダーと共創し、サプライチェーンの生産性を向上することで、安定的な原料調達と物流の確保を行います。
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地球環境への配慮
豊かな自然環境の維持と事業活動を両立するため、自然資本の保全、気候変動対策や資源循環型社会の推進を行います。また、地域・コミュニティの自然環境の豊かさと活気あふれる社会の維持などの社会課題にも取り組んでいきます。
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多様性を尊重した
全員活躍の推進人財はバリューチェーンを支える重要な基盤であり、カルビーグループは持続的成長を支えるためのイノベーションの創出を目指し、多様性を活かした全員が活躍する組織へと進化させます。
マテリアリティ特定・見直しプロセス

KPI進捗の内部レビュー
取り組みを推進する各分科会ごとにヒアリングを実施しました。本部長から実務担当までを含め、各視点からさまざまな課題・意見を集め、テーマ単位で情報をまとめました。

外部評価分析
サステナビリティに関する外部環境の変化について、各種文献を調査し、最新動向を整理しました。さらにそれらが食品業界におよぼす影響を踏まえ、Step1でまとめた情報と照らし合わせ、カルビーグループと関係の深い社会課題を抽出しました。

マテリアリティマップ見直し
Step2の外部環境分析結果を踏まえ、2軸の重要度「ステークホルダー」と「自社」に基づき、抽出された各社会課題を再評価し、マテリアリティマップを見直しました。


マテリアリティ見直し
マッピングした各社会課題を整理し、マテリアリティと外部環境の関係性について見直しを行いました。その結果、新たに5つのマテリアリティと13の課題を特定しました。

施策・KPIの見直し・最終化
内部ヒアリングを行った分科会や新たな関係部署とともに、新マテリアリティの主要施策およびKPI案について協議しました。また、外部有識者よりこれらの見直し手順・マテリアリティ案に対してのご意見・ご助言を受け、妥当性の確認を行いました。
最終的にサステナビリティ委員会(第7回/2022年12月)にて、新マテリアリティとKPI案の承認を受け、新たなマテリアリティとして特定し、取り組みを進めています。
外部有識者へのヒアリングによる、妥当性の検討
マテリアリティについて、外部の視点も交えて検証を行うため、有識者にヒアリングを実施しました。
いただいた意見を踏まえてマテリアリティの再特定を行っています。

赤羽 真紀子 様
国内・国外の企業のCSRやサステナビリティの活動について豊富な知見をお持ちで、国際的にも通用するサステナビリティ経営を実現するためのご意見・ご指摘をいただきました。
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●海外で事業を展開する食品メーカーへの期待値として、原料調達における小規模農家への配慮、工場職員の賃金保証、プラスチック包材に関する取り組みでのより厳しい評価の目があります。
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●海外企業においては、KPIの開示よりも壮大な目標を設定する傾向があります。我々はこういう会社で、こんな社会を作りたいから、こういった取り組みをするという表現をする会社が多く、日本のようにKPIやPDCAの推進を重視しない傾向にある点が違います。また、英語の開示媒体を通じたコミュニケーションの際の英語表現についても注意が必要です。
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●動物の福祉(アニマルウェルフェア)は今後重視されていきます。開示の際にマテリアリティとして記載する必要はないものの、内部においては議論を開始していることを見直しのプロセスを開示する際に表現できると良いと思います。

河口 眞理子 様
サステナビリティ全般について高い専門性をお持ちであり、カルビーグループにとっての外部環境変化や、ステークホルダーが期待を寄せる点について、ご意見・ご指摘をいただきました。
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●プラスチックの代替は社会的ニーズが高く、主要な食品会社の取り組みと比べて不十分だという印象を持たれる可能性があるので、マテリアリティや重点テーマとして明示しても良いと思います。
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●継続してマテリアリティとしている「持続可能な農業生産」と新たにテーマを設けた「自然資本の取り組み」との関係について、自然資本への取り組みを上流に置き、カルビーが理念として大切にしている「自然の恵み」といったキーワードを前面に出すことや、カルビーを主語にできなくとも、農家との共創ストーリーを描くことが大切であると思います。
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●マテリアリティとして大きな項目に入れ込む必要はないが、アニマルウェルフェアについては検討しておくべき課題です。特に卵については指摘されやすい傾向があります。