持続可能なサプライチェーンの共創

環境と人権を尊重した責任ある調達

カルビーグループはさまざまな原材料を国内外のサプライヤーを通して調達しており、そのサプライチェーンを取り巻く環境は大きく変化をしています。特にSDGsやCSRといわれる側面においては、ステークホルダーの皆さまから環境や人権に関するご意見・ご要望も年々多くなっています。カルビーグループはこのような環境や人権の社会課題に対して、サプライヤーとのエンゲージメントを強化し、リスクや機会に取り組んでいきます。

主な取り組み

人権・環境に配慮した調達方針

2021年に改定された「カルビーグループ行動規範」を基に、カルビーグループでは事業を取り巻く大きな社会環境の変化に対応すべく、2022年に「カルビーグループ調達ポリシー」を改定しました。サプライチェーン上の人権・環境課題などの解決に取り組み、取引先と協働して持続可能な社会を実現していきます。
同2022年に「カルビーグループパーム油調達方針」を制定しました。NDPE(森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ)を支持し、取引先とともに持続可能性に配慮したサプライチェーンから認証されたパーム油の調達を進めていきます。
また、英国法Modern Slavery Act 2015への対応として、2017年3月期以降「英国現代奴隷法に関する表明」を毎年公表しており、サプライチェーンにおける強制労働、人身取引の防止を表明しています。

CSR調達セルフ・アセスメント

カルビーグループは「サプライチェーンにおける望ましいCSR活動のあり方」を検討し、監査を実施しました。その実施手法の一つとして、一般社団法人グローバルコンパクトネットワークジャパン(GCNJ)の「CSR調達 セルフ・アセスメント質問表」とカルビー独自のアセスメントを2022年度には主要取引先53社に実施し、CSRや環境などの情報交換を開始しました。多くの課題の中から、人権に関わる方針策定などの取り組みを取引先とともに実施し、長期的には温室効果ガスの削減など、環境面も含めた活動へと拡大していきます。

※ 一般社団法人グローバルコンパクトネットワークジャパン サプライチェーン分科会による提言

サプライヤーとの協働で、責任あるパーム油調達を推進

パーム油は、アブラヤシの果実から採れる油の総称で、単位面積当たりの収穫量が多く、生産効率が高いことから世界最大の油脂原料となっています。約80%がインドネシアとマレーシアで産出されますが、近年、パーム農園の開発に起因する環境破壊、強制労働や児童労働などの人権侵害が大きな社会問題として指摘されています。
カルビーグループの国内工場では、ポテトチップスのフライ工程など、調理油としてパーム油を年間約4万トン調達しています。環境や人権に配慮した「認証パーム油を2030年までに100%使用」とする目標を掲げ、2021年7月から順次国内工場にてマスバランス方式※1の認証パーム油を導入し、2022年4月には国内全工場でマスバランス方式の認証パーム油に切り替えました。また、2022年9月より、「RSPO※2ラベル」を主力商品4種類6品目のパッケージに表示し、対象を順次拡大しています。(2023年7月末現在、16品目に表示)
このような持続可能な調達はサプライヤーとの協働が重要となります。2022年にパーム油サプライヤーである不二製油グループ本社株式会社とエンゲージメントし、搾油工場リスト(ミルリスト)の提供や原産地におけるランドスケープアプローチ※3の取り組み、森林状況のモニタリングなどの情報交換を定期的に実施しています。2023年以降は全てのパーム油サプライヤーとエンゲージメントして、取り組みを拡大しています。
2023年9月に現地の搾油工場へ訪問し、より詳細な状況の把握に努め、今後もサプライヤーとのエンゲージメントを強化し、さまざまな社会問題に取り組んでいきます。

  • ※1 マスバランス方式:製造・流通過程で認証油と非認証油が混合される認証モデル。物理的には非認証油も含んでいるが、購入した認証油の数量は保証される方式
  • ※2 RSPO:持続可能なパーム油のための円卓会議。(Roundtable on Sustainable Palm Oil)の略称。WWF(世界自然保護基金)とパーム油産業に関わるステークホルダー(メーカー、小売り、環境団体など)によって設立された非営利の会員組織
  • ※3 ランドスケープアプローチ:ランドスケープ(自然生態系のまとまり)内のステークホルダーのコラボレーションを含む地域の管理手法
画像:「RSPO認証マーク」を表示した「ポテトチップス」
「RSPOラベル」を表示した「ポテトチップス」

5つのマテリアリティ

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