地球環境への配慮

カーボンニュートラルの達成

近年、世界規模で記録的な猛暑、豪雨、干ばつなどが頻発し、日本国内でも気候変動による自然災害の脅威は深刻化しています。こうした背景から、気候変動の主な要因である温室効果ガスの削減に関する世界全体の意識が高まっています。特に、Scope3のカテゴリー1については、サプライヤーとエンゲージメントを強化し課題に取り組んでいます。
カルビーでは2030年までに温室効果ガス総排出量30%削減(2019年3月期比)を掲げ、下記取り組みを進めています。

主な取り組み

清原工業団地のスマエネ事業による省エネ

宇都宮地区清原工業団地の工場では、2019年度から、近隣の他企業との協業で「清原スマートエネルギーセンター」による工場間一体省エネルギー事業に参画しています。
本事業はセンターで作られた電力と熱を共同利用する仕組みで、一企業では難しい省エネ(約20%・約10,400Kl/年)やCO2削減(約20%・約21,000t/年)※1を実現しました。
官民連携のもと、業種の異なる複数事業者が地域全体での最適化を追求し、省エネを達成したこと、2020年の本格稼働以降も継続的な取り組みを行い成果につながっていることが高く評価され、2021年度省エネ大賞経済産業大臣賞に続き、2022年3月に第31回地球環境大賞において「経済産業大臣賞」を受賞しました。

※1 コージェネレーションを核とするエネルギーセンターから送られる電力と熱を対象とする削減率(2015年度比・2021年実測値)

写真:清原スマートエネルギーセンター
清原スマートエネルギーセンター

廃熱由来の蒸気の活用

カルビー新宇都宮工場では、これまで食品に直接触れる蒸気を都市ガスを燃料とするボイラで製造し、使用していました。2022年度からスマエネ事業の一環として、廃熱由来の蒸気を活用して食品加工用蒸気を製造するリボイラを清原スマートエネルギーセンターに導入することで、都市ガスの使用量を削減しています。

供給フロー図(カルビー新宇都宮工場)
供給フロー図(カルビー新宇都宮工場)

廃食油を利用したボイラの稼働

2021年10月より、カルビー帯広工場において、廃食油を使ったボイラの稼働を始めました。自工場内で発生した廃食油を燃料としてボイラを稼働する仕組みです。この取り組みにより化石燃料の使用を抑えることができ、廃食油の処理の輸送や精製で発生するCO2を削減でき、2022年度の温室効果ガス削減効果は年間約380tになりました。

使用エネルギーの転換による削減

2019年度から、水力などの再生可能エネルギー電源に由来するCO2フリー電力への切り替えや、J-クレジット制度※1によるカーボンオフセット電力、従来型の非化石証書※2を付帯した電力の購入を進めてきました。2019年度は下妻工場、ジャパンフリトレー古河工場など関東近郊の5事業所、2020年度は北海道、鹿児島の2工場で実施しています。2021年度は4月から各務原、湖南、京都、9月から広島、広島西の計5工場で開始しました。この取り組みは、温室効果ガスScope2の削減(2019年3月期比61.1%削減)に貢献しました。引き続き、カルビーグループは、再生可能エネルギーへの転換に取り組んでいきます。

  • ※1 再生可能エネルギーの活用によるCO2などの排出削減量を、クレジットとして国が認証する制度(経済産業省HPより)
  • ※2 石油や石炭などの化石燃料を使っていない「非化石電源(電気をつくる方法)」で発電された電気が持つ「非化石価値」を取り出し、証書にして売買する制度(資源エネルギー庁HPより)

バイオガス発電設備の稼働

2022年3月より、カルビー新宇都宮工場において、バイオガス発電設備の利用を開始しました。

これは工場内の排水処理工程で発生するバイオガスを燃料として発電し、年間320MWh(一般家庭約70世帯分)の再生可能エネルギー由来の電力を自家消費するものです。この取り組みによる温室効果ガス削減効果は、CO2換算で年間約3,000tです。

画像:清原スマートエネルギーセンター
清原スマートエネルギーセンター
写真:バイオガス発電設備25kW×4基
バイオガス発電設備25kW×4基

太陽光発電設備の導入

2021年12月、カルビー京都工場において、工場建屋に太陽光発電設備を設置し、太陽光パネルからの発電を開始しました。2022年度は約350MWh(一般家庭約80世帯分)の電力量を発電・自家消費しており、同工場において2020年度比で1.5%の省エネの効果をもたらしています。

写真:太陽光パネル
太陽光パネル
写真:太陽光発電設備
太陽光発電設備

Scope3カテゴリー1のCO2削減の取り組み

温室効果ガス排出量の取り組みにおいて、Scope3は自社だけではなく、サプライチェーンの協力なしには進めることができません。2022年、カルビーグループは環境省の支援事業である「サプライチェーンの脱炭素化推進モデル事業」へ参画し、以下のように取り組みを進めていきます。

  • Scope3の排出係数の見直し
    CO2削減の取り組みがScope3カテゴリー1の排出量の算定において反映できるように、算出データベースをIDEA(version3.2)に変更しました。カルビーグループ国内工場では、基準年である2018年度の排出量と2022年度の排出量について見直し、第三者検証を実施しました。2019年度から2021年度までの再算定はその他の排出拠点も含め2023年度に実施予定です。
  • サプライヤーとのエンゲージメント
    2022年度、主要取引先各社に対し、一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)のCSR 調達セルフ・アセスメント質問表に加えてカルビーオリジナルアセスメントを実施し、サプライヤーエンゲージメントを強化しました。温室効果ガス削減について、セルフ・アセスメント質問票の回答結果をもとに、現状把握を行い、カルビーがどのような支援ができるかを検討し、温室効果ガスの削減に向けて協働で進めていきます。
  • ばれいしょのGHG排出量の見える化
    主原料として多くの製品に使っているばれいしょのGHG排出量の見える化に取り組んでいます。ばれいしょ栽培フローの植え付け前準備から収穫までの排出源にどのようなものがあるかを調べ、栽培中に使用している肥料、農薬、資材、燃料などに着目し、まずは、GHG排出量の見える化を進めていきます。

5つのマテリアリティ

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