農業の持続可能性向上
自然資本の保全
私たちのくらしは、食料や水、原材料など自然資本※がもたらすさまざまな恵み(生態系サービス)によって支えられています。農業と密接に関わるカルビーグループの事業活動は、企業理念に掲げている「自然の恵みを大切に活かす」といった考えのもと、自然資本に依存し影響を及ぼすプロセスを把握し、科学的根拠に基づいた適正な取り組みを進め、地球環境に配慮した持続可能な農業の実現を目指します。
※自然資本:森林、土壌、水、大気、生物資源など、自然によって形成される資本(ストック)のこと。
環境省「令和6年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」抜粋。
主な取り組み
土壌分析に基づく適正な施肥
作物が生長するために必要な要素として、窒素・リン酸・カリウムが肥料の3大要素といわれています。ばれいしょも同様に安定した品質と調達をするためにはこれらの肥料が欠かせません。
カルビーグループでは、さまざまな土質や生育条件によって違いがある畑の土壌分析を行い、それぞれの畑に合った適切な肥料の提案を契約生産者に行っています。
土壌中のリン酸量の分析結果に基づき、リン酸が畑の土壌に十分に蓄積されている場合は作物が育つ環境が整っているため肥料を減らし、不足している畑の土壌には付与するなど、適切な施肥の取り組みを契約生産者と一緒に進めています。
日本はリン鉱石をはじめ、多くの肥料を海外からの輸入に依存しています。限りある資源を大切に活用することは重要な課題です。適正な施肥を行うことにより、自然資本の保全につなげ、持続可能な農業の実現を目指します。
リン酸の減肥については、帯広畜産大学との共同研究の成果を基に、ホクレン農業協同組合連合会、契約生産者、カルビーポテトで畑におけるリン酸減肥の保存試験を実施するなど、適正な施肥に関するさまざまな取り組みを行っています。その結果に基づき、ホクレン農業協同組合連合会から2023年にリン酸含有量の低い肥料(BBS050など)が発売され、運用を始めています。