農業の持続可能性向上

持続可能な原料生産

カルビーグループにとって、地球温暖化による気候変動への対応と自然資本の保全は、喫緊の課題です。ポテトチップスなどの主原料であるばれいしょの品質確保と安定調達に向けて取り組み、契約生産者をはじめとするステークホルダーとの協業を通じて、農業の持続可能性向上を推進しています。

ばれいしょを通じた農業の
持続可能性向上

ばれいしょの品種開発

ばれいしょの調達における最大のリスクは、地球温暖化による気候変動や、ジャガイモシストセンチュウなど病害虫の蔓延による収量・品質の低下です。カルビーグループでは、その対応策として、国内外の研究機関と連携し、気候変動に適応できる耐暑性および病害抵抗性を備えたばれいしょの品種開発に取り組んでいます。
2017年には、カルビーグループ独自の新品種として「ぽろしり」を登録し、普及を進めてきました。さらに、CP14・CP15といった新しい品種開発にも取り組んでいます。このうちCP14は、試験栽培を終え、普及に向けて一般栽培を進めています。シストセンチュウ抵抗性を持ち、チップカラー(ポテトチップス加工時の色味)にも優れています。品質・収量ともに安定したばれいしょの調達を実現するために、これからも気候変動に強い品種の育成・開発技術を向上させ、新品種を生みだしていきます。

新品種として登録した「CP14」

新品種として登録した「CP14」

カルビーポテト馬鈴薯研究所で品種開発している圃場での収穫風景

カルビーポテト馬鈴薯研究所で品種開発している圃場での収穫風景

農業の省力化

農業を主な仕事とする農業従事者は、減少傾向が続いています。2015年に175万7千人いた農業従事者の数は、2025年には103万6千人と約41%減少※しました。労働負荷の軽減や収入の安定化は、農業従事者を確保するうえでも大きな課題です。ばれいしょは農作物の中でも、重労働で手間がかかる作物です。
カルビーポテトでは、契約生産者の負担軽減を目的に、コントラクター(作業請け負い)事業を行っています。具体的には、特に負担の大きい「収穫」と「選別」をサポートしています。大型機械を導入することで、収穫効率の向上と作業負担の軽減が期待できます。一方で、こうした大型機械の導入には、大量に収穫したばれいしょを効率的に受け入れる設備も欠かせません。カルビーポテトでは、大型機械で収穫した大量のばれいしょを受け入れるため、選別ラインや貯蔵庫などの設備を整備しています。契約生産者が大型機械を導入し、省力化を進められるように支援することで、契約生産者とカルビーポテトが協働し、ばれいしょの作付面積の拡大につなげていきます。

※出典: 農林水産省「令和7年度 食料・農業・農村白書」

大型受入ばれいしょ選別機

大型受入ばれいしょ選別機

大型受入ばれいしょ選別機内の作業

大型受入ばれいしょ選別機内の作業

ばれいしょ産地の分散化

近年では、2021年に北海道の十勝、網走、上川地区で発生した干ばつの影響により、ばれいしょの収穫量が大きく減少しました。カルビーポテトでは、気候変動がばれいしょ調達に与えるリスクに対して、北海道内での産地分散に加え、東北・九州北部など新たな産地の拡大に取り組んでいます。
新たな産地では、地域ごとの状況に応じた支援を行っています。東北産地(宮城県)では、従来は大雨によるばれいしょの腐敗や、早枯れによる収量低下の対策を契約生産者と共有して契約面積の約99%で排水対策を実施し、収穫量の向上につなげていました。近年は、干ばつの影響が大きいため、排水以外の取り組みにも尽力しています。また、九州北部では、栽培機械の貸し出しによって省力化を進めています。このような取り組みにより、新たな産地での作付面積は順調に拡大しています。

排水対策中の圃場(宮城県)

排水対策中の圃場(宮城県)

ステークホルダーとの
協業による農業の持続可能性推進

ホクレン農業協同組合連合会との
連携協定

ばれいしょをはじめとする北海道産農産物の振興に向け、2020年にホクレン農業協同組合連合会(以下ホクレン)と連携協定を締結しました。以来、持続可能な原料生産の実現を目指し、品種開発、作付面積の拡大、資材活用、物流、商品開発・販売まで、幅広い領域で協業を進めています。
品種開発では、気候変動などの環境変化に対応するため、情報交換や研究を推進しています。作付面積の拡大では、将来にわたる安定的な原料確保に向け、生産基盤の強化に取り組んでいます。
また、資材活用の面では、農業資材の効率的な活用を目指し、肥料使用量の削減に向けて、リン酸減肥の検証にも取り組んでいます。限りある資源を有効に活用することで、環境負荷の低減と持続可能な農業の両立を図っています。
物流面では、高速大型船「ホクレン丸」を活用し、作物輸送における陸送距離と時間を短縮することで、効率的な物流体制の構築につなげています。さらに、ばれいしょの価値向上に向けて新商品の開発にも取り組み、販売やプロモーションまで一体的に推進しています。
カルビーグループとホクレンは、こうした取り組みを通じて、北海道産農産物の魅力を広く発信するとともに、生産者が生み出す価値を市場へつなげています。今後も、持続可能な生産と原料の安定的な調達の実現を目指していきます。

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