地球環境への配慮
自然資本の保全
私たちのくらしは、食料や水など自然資本※がもたらすさまざまな恵み(生態系サービス)によって支えられています。農業と密接に関わるカルビーグループの事業活動は、企業理念にある「自然の恵みを大切に活かす」という考えのもと、自然資本に依存と影響を及ぼすプロセスを把握したうえで、リスクと機会を特定し、取り組みを進めることで、持続可能な地球環境の実現を目指します。
※自然資本:森林、土壌、水、大気、生物資源など、自然によって形成される資本(ストック)のこと。
環境省「令和6年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」 抜粋
持続可能な原材料調達 ~未来につなぐ自然資本~
カルビーグループは、事業のサプライチェーン全体を通じて自然資本からの自然の恵みに依存し、影響を与えています。カルビーのポテトチップス製造においては、ばれいしょ・パーム油などの自然の恵みである原材料や、プロセスで使う燃料や水など自然に依存しています。また、ばれいしょ栽培で使用する農薬や肥料、石油資源からつくられるプラスチックの利用、土地開発、温室効果ガスの排出など事業を通じて自然へ影響を与えています。
カルビーグループは、自然の恵みに大きく依存している原材料のサプライチェーンにおいて、資源の過剰利用や、産地の開発に起因する生物多様性の消失や劣化、森林や土地の開墾による温室効果ガスの排出などのさまざまな課題があり、それらの解決に取り組んでいます。
自然に密接に関わる企業として、マテリアリティの重点テーマの多くが関連しています。マテリアリティの「農業の持続可能性向上」および「地球環境への配慮」では、気候変動に強い品種の育成・開発、さまざまな土質や条件によって違いがある畑の土壌分析を行い、より多くのばれいしょが収穫できる適切な肥料の提案を行っています。また、パーム油や紙については環境問題や人権問題に対し、RSPO※1認証パーム油の使用やFSC認証紙などの使用を拡大することで、持続可能な調達の取り組みを進めています。
カルビーが考える『ビジネスと自然資本との接点』(概念図)
近年、世界の金融の流れが「自然」に対してポジティブな方向にシフトするために、企業が自然関連のリスクと機会、依存と影響について報告し、行動するためのTNFD※2の開示に向けた動きが高まっています。カルビーグループは2023年9月に公開されたTNFDフレームワーク正式版に合わせて、ロードマップを作成し、2025年の開示を予定しています。
気候変動と生物多様性は表裏一体であり、事業活動を通じて、気候変動対策だけでなく自然環境の保全に貢献し、企業理念にもとづいて自然資本と両立した事業活動を進めています。
カルビーグループのビジネスは、バリューチェーンと自然資本の接点において、原材料が持続可能であることが特に重要です。カルビーグループは、全てのバリューチェーンとともに課題に取り組み、新たな価値を提案していきます。
- ※1 RSPO:持続可能なパーム油のための円卓会議。(Roundtable on Sustainable Palm Oil)の略称。WWF(世界自然保護基金)とパーム油産業に関わるステークホルダー(メーカー、小売り、環境団体など)によって設立された非営利の会員組織
- ※2 TNFD:Taskforce on Nature-related Financial Disclosuresの略称。自然関連財務情報開示タスクフォース