地球環境への配慮
プラスチックによる環境負荷の低減
カルビーグループは、商品の品質低下を防ぐため、包装容器にプラスチック素材が持つさまざまな機能を活用してきました。近年の海洋プラスチック問題や、石油資源の枯渇、化石燃料由来のプラスチックによる温室効果ガスの排出などの社会課題に取り組むために、使用するプラスチック量を可能な限り削減し、環境配慮型素材への転換を図り、カルビーグループの持続的な成長と持続可能な社会の実現を目指します。
主な取り組み
石油由来プラスチックの削減目標の設定
1983年、カルビーは油脂が使われる商品の品質劣化を防ぐため、商品パッケージにアルミ蒸着多層フィルムを導入したことで、商品のおいしさを長期間損なうことなくお客様に提供できるようになりました。この技術導入後も包材にさまざまな改良を重ね、賞味期限の延長などを実現しました。また、パッケージフィルム自体の薄膜化や包装容器サイズ縮小によってプラスチックの使用量を減らしています。しかし、複数の材質を組み合わせているフィルムの構造上、各層の素材を分離することが難しく、水平リサイクルが容易にできないという課題があります。そこで、2019年5月に政府が発表した「プラスチック資源循環戦略」に盛り込まれたマイルストーンを踏まえ、2020年度にプラスチック容器代替・削減に関する目標を定めました。カルビーグループは使用するプラスチックの量を減らし、バイオマスプラスチックやケミカルリサイクルなどの技術開発を協働で進めます。
目標 プラスチック容器代替・削減
- 2030年までに、石油から新たに作られるプラスチックを使用した包装容器を50%削減(2018年度比)
- 2050年までに、包装容器に使用する素材を「100%環境配慮型素材へ転換」
パッケージサイズの取り組み
2022年、ポテトチップス大容量サイズの商品シール部分の幅を狭くして、プラスチック使用量を減らす取り組みを実施しました。
今後もさらなる包装容器の縮小および薄膜化に向けた技術開発を、設備メーカーやフィルムサプライヤーと協働で進めていきます。
バイオマスプラスチックの活用
カルビーグループは、石油から新たに作られるプラスチックを削減するため、スタンドパウチ包装商品の包装材料の一部にバイオマスPETを採用、2023年度から「かっぱえびせん」の一部商品などに採用を拡大しています。
印刷に使用するインキについてはバイオマスインキに順次切り替えを行っています。2022年はJagabeeのボックスタイプにおいて、従来の印刷方式と比べてインキの原料由来と印刷工程でのCO2排出量を約34%削減した印刷方式「エコラスター®」※1を採用するなどの取り組みが評価され、公益社団法人日本包装技術協会主催の「2022日本パッケージングコンテスト」において、「ジャパンスター賞/公益社団法人日本包装技術協会会長賞」を受賞しています。
- ※1「エコラスター®」は凸版印刷株式会社の登録商標です。
https://www.toppan.co.jp/living-industry/packaging/topics/works/012/index.html
バイオマスPET一部使用例
JagabeeBOX:新しい印刷方式エコラスター®使用
株式会社アールプラスジャパンへの資本参加
2021年2月より、カルビーは株式会社アールプラスジャパンへの資本参加を行い、その取り組みを通して、使用済みプラスチックの再資源化事業を強化しています。
日本ではペットボトル以外のプラスチックの多くが燃焼※1されて処理されていますが、株式会社アールプラスジャパンではペットボトルを含む一般のプラスチックを直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクル※2を行う技術の実用化に取り組んでいます。従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも短い工程で処理できる技術により、温室効果ガス排出量の低減やエネルギー必要量の抑制および使用済みプラスチックの効率的な再生利用が期待されます。
- ※1 焼却時に発生する熱を回収し、発電や熱供給に活用するサーマルリカバリー(熱利用)を含む
- ※2 使用済みの資源をそのままではなく、化学反応により組成変換した後にリサイクルする

資源循環のスキーム構築に向けた実証実験
カルビーでは将来的なプラスチック資源循環のスキームを構築するため、株式会社アールプラスジャパンが中心となり、参加企業各社と共同で使用済みプラスチックの再利用化に向けた取り組みを推進しています。
2022年11月5日から12月4日の期間、千葉県東金市「道の駅 みのりの郷東金」において、使用済みプラスチック容器の分別回収実験を行いました。実験の目的は、回収したプラスチック容器の状態や量の調査をし、これら回収したプラスチックが株式会社アールプラスジャパンのリサイクル技術に適用するかの検討を行うためです。このような使用済みプラスチックの分別回収及び検証を繰り返し、資源循環のスキーム構築を進めます。

*こちらの取り組みは終了しています。