研究成果
(学会発表・研究論文)

  • 学会発表

ロールドオーツに含まれるフェルラ酸含有多糖類のラジカル消去活性を確認
シリアル製品の主原料であるロールドオーツにおけるフェルラ酸含有多糖類が
ラジカル消去活性に関与することを確認
「ロールドオーツに含まれるフェルラ酸含有多糖類のラジカル消去活性」
~日本食品化学工学会2008年度大会においてカルビー(株)基礎研究チームと
オイシア(株)が共同で発表~
2008.09.07

背景

ロールドオーツとは、オーツ麦(和名:燕麦)の外皮をむいたものを加熱し、ロールにて押しつぶした加工品で、より原穀に近い形を持つのが特徴であり、シリアル製品の主原料となっています。 オーツ麦では、血中コレステロール低下作用や血糖値低下作用などの機能についてβ-(1→3),(1→4)-グルカン(本文中ではβ-グルカン)が報告されています。さらにオーツ麦にも含まれるフェルラ酸が抗酸化活性や血圧低下作用に関与することが報告されています。したがって、ロールドオーツもまた、多くの機能が期待できる加工品であると思われます。

目的

ロールドオーツ中の機能性成分であるβ-グルカンおよび結合型フェノール類について既に報告しました。 本実験では、フェルラ酸がラジカル消去活性を示すことに注目し、ロールドオーツにおけるフェルラ酸含有多糖類 がラジカル消去活性に寄与する成分の一つであることを明らかにしました。

研究内容

ロールドオーツを粉砕後、80%エタノールで処理し、得られたアルコール不溶性画分から水溶性多糖類画分を回収しました。水溶性多糖類画分の構成糖組成を検討するとともに、酵素(リケナーゼおよびキシラナーゼ)作用前後におけるゲルろ過クロマトグラフィーの溶出パターンの変化から構成多糖類について推察しました。さらに、水溶性多糖類にリケナーゼを作用させた試料をゲルろ過クロマトグラフィーに供し、回収したAX画分における結合型フェノール類の分析をHPLCにて行ないました。
図1.酵素処理前後における水溶性多糖類画分の溶出パターンの変化
図2.AX画分における結合型フェノール類の溶出パターン

まとめ

[ 1 ]  ロールドオーツの水溶性多糖類画分における構成糖組成について検討したところ、グルコースが最も多く、次いでキシロース、アラビノースの順に多く認められました。
[ 2 ]  水溶性多糖類画分は、酵素(リケナーゼおよびキシラナーゼ)によって分解されることから、グルカン系およびキシラン系多糖類が存在すると考えられました(図1)。
[ 3 ]  リケナーゼ処理後の未分解物画分(AX画分)における細胞壁結合型フェノール類の分析では、ラジカル消去活性を有するフェルラ酸が確認された(図2)。
[ 4 ]  以上のことから、ロールドオーツの水溶性多糖類画分には、フェルラ酸含有のキシラン系多糖類が存在し、それがラジカル消去活性に寄与する成分の一つであると考えられた。

学会発表のトップへ戻る