研究成果
(学会発表・研究論文)

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いも類・野菜類のフライ加工食品を組み合わせた活性酸素消去相乗効果の検討
ベジップスのたまねぎは、さといも、にんじん、じゃがいもと活性酸素消去相乗効果を示し、その成分の1つはケルセチンであることを確認しました。
日本農芸化学会2014年度大会において、カルビー株式会社と秋田県立大学との共同研究として発表。
2014.03.28

目的

いも類・野菜類をフライ加工した食品を組み合わせることによって発現する活性酸素消去相乗効果を調べ、その関与物質を検索しました。

研究内容

フライ加工食品として、弊社製品であるベジップスのじゃがいも、さつまいも、たまねぎ、かぼちゃ、さといも、にんじん、ごぼうを試料としました。さらに、たまねぎの抗酸化成分の1つであるケルセチンや硫黄化合物、フライ加工前の生の素材を試料としました。活性酸素消去能の測定は、XYZ系活性酸素消去発光法で測定しました。
図1


ベジップスのいもや野菜の組合せによる活性酸素消去相乗効果を測定しました。その結果、たまねぎとさといも、にんじん、じゃがいもで理論値に対してそれぞれ1.9、1.6、1.5倍の相乗効果が認められ、たまねぎは相乗効果を示すキーファクターであると考えられました。

図2


フライ加工による影響を検討するために、生の素材と加工後の単独の活性酸素消去能を比較しました。その結果、加工後に活性酸素消去能が3.7倍~17.3倍まで増加しました。これは、活性酸素消去成分がフライ加工による分解よりも水分の蒸発による濃縮効果の方が大きいこと、また活性酸素消去能を持つメラノイジンが生成したことが考えられました。さらに、素材間の組合せでも相乗効果を検討した結果、加工後の相乗効果比と大きな差は認められませんでした。つまり、フライ加工により生成したメラノイジンなどの成分が相乗効果を示しているわけではなく、素材がもともと含有している活性酸素消去成分が相乗効果を示していることが分かりました。

図3


たまねぎ中の相乗効果を示す成分を検索するために、たまねぎに含まれている成分と、ベジップスのさといも、にんじん、じゃがいもそれぞれとの相乗効果を測定しました。その結果、ケルセチンとさといもで2.2倍、ケルセチンとにんじんで3.8倍、ケルセチンとじゃがいもで4.7倍の相乗効果が確認され、相乗効果成分の1つはケルセチンであることが示唆されました。
※ケルセチンとは植物界に広く分布するフラボノイドの1種で、水溶性のビタミン様物質の1つ。

まとめ

[ 1 ]  「たまねぎとさといも」、「たまねぎとにんじん」、「たまねぎとじゃがいも」の組合せで、それぞれ1.9、1.6、1.5倍の活性酸素消去相乗効果が認められました。
[ 2 ]  フライ加工することにより、抗酸化活性は増加しました。しかし、相乗効果比に大きな差は認められませんでした。
[ 3 ]  「ケルセチンとさといも」、「ケルセチンとにんじん」、「ケルセチンとじゃがいも」の組み合わせにおいてそれぞれ2.2、3.8、4.7倍の相乗効果が認められました。このことから、たまねぎ中のケルセチンが相乗効果に関与していることが示唆されました。

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