研究成果
(学会発表・研究論文)

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朝食欠食者が習慣的に朝食を摂取したときの心身に与える影響
普段朝食を食べていない人が習慣的に朝食を食べることで、睡眠の質と精神的QOL*1の改善を確認。
「朝食欠食者が習慣的に朝食を摂取したときの心身に与える影響」
2018年日本食生活学会において、関東学院大学とカルビー株式会社の共同研究として発表。
*1:QOL・・・Quality of Lifeの略。生活の質のこと。
2018.5.19.

背景

現代の日本では、朝食を食べない方が多くいます。これまでに、朝食を食べない方は、朝食を食べている方と比べて睡眠の質や精神的QOLが低いという報告がされています。

目的

普段朝食を食べていない人が習慣的に朝食を食べるようになると、心身にどのような変化があるのかを確認するために臨床試験を行いました。

研究内容

被験者は、20~60歳の普段朝食を食べない(目安:週5回以上食べない)、横浜市在勤の健康な方19名にご協力をいただきました。厚生労働省 国民健康・栄養調査*2に基づいて、被験者には8週間主食(米・パン・麺・シリアル)を含む朝食を自由に食べてもらいました。希望者にはフルーツグラノーラ(カルビー株式会社製フルグラ®)を提供しました。
*2:厚生労働省 国民健康・栄養調査・・・健康増進法(平成14年法律第103号)に基づき、国民の身体の状況、栄養素等摂取量及び生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的に毎年実施するもの。
図1

図2

睡眠と精神的QOLのアンケートを試験開始前、開始2週間後、4週間後、8週間後に実施しました。調査にはそれぞれ、「ピッツバーグ式睡眠質問票 日本語訳(以下PSQIと略)」と「POMS2 成人用短縮版(株式会社 金子書房)(以下POMSと略)」を使用しました。

被験者19名の内、アンケートに回答できなかった方と8週間朝食を食べ続けることが出来なかった方の合計3名のデータを除外し、16名分のデータを解析しました。

PSQIでは、2・4・8週間後の総合得点は、開始前に比べて低くなり睡眠の質が改善していました。

図3

PSQIでは、総合得点が5.5点以上の方をPoor Sleeperと判定することが出来ます(Cut off値)。開始前のPSQI総合得点が5.5点以上の方 = Poor Sleeperに着目したところ、8週間後の測定においては11名中5名の得点がCut offの数値を下回りました。

図4

次にPOMSでは、被験者16名のデータにおいて8週間後の総合気分状態(TMD)値は、開始前と比べて低くなり精神的QOLの改善傾向が見られました。続いてPSQI値が5.5点以上の方で解析をすると、8週間後TMD値は開始前と比べて有意に低くなり精神的QOLが改善していました。

これらの結果には、概日リズム*3が大きく関係していると考えらえます。概日リズムは、日光や食事、運動などによって修正されることが知られています。また概日リズムが乱れると睡眠の質や精神的QOLが低下することも知られています。つまり概日リズムが乱れていた方が、朝食を食べるようになったことで概日リズムが修正されて睡眠の質や精神的QOLの改善をもたらした可能性が考えられます。
*3:概日リズム・・・サーガディアンリズム。体内時計とも言われる。
図5

まとめ

普段朝食を食べていない方が習慣的に朝食を食べることで、食事の刺激によって概日リズムが修正されて、睡眠の質や精神的QOLの改善に繋がる可能性が考えられます。

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