研究成果
(学会発表・研究論文)

  • 学会発表

じゃがいもの「花」「葉」「皮」の抽出物に糖化を防ぐ活性を確認
じゃがいもフラクションライブラリーを用いた抗糖化活性の検討
日本農芸化学会2017年度大会において、理化学研究所とカルビー株式会社との共同研究として発表。
2017.03.19

背景

糖化反応とは、タンパク質と糖が非酵素的に結合する反応であり、最終産物としてAdvanced Glycation End Products(AGEs)を生成します。AGEsは加齢とともに体内に蓄積し、下記に示すような様々な疾患に関与することから、老化の危険因子とも言われています。このことから糖化反応を抑制することは、加齢や糖尿病に伴う疾病の予防や改善に繋がるため非常に重要です。
図1

目的

じゃがいも未利用資源の有効活用法の開発を目的とし、じゃがいもの各部位より作製したフラクションライブラリーの抗糖化活性を評価しました。活性評価に用いたじゃがいもフラクションライブラリーは、理化学研究所で作製した約1,700サンプルを用いました。

研究内容

抗糖化活性は、ヒト血清アルブミン(HSA)に対する糖化反応阻害試験により評価しました。HSA、グルコースを含む反応溶液を60℃で40時間反応させると蛍光性AGEsが生成します。この反応溶液に測定試料として各フラクション溶液を加えたとき、蛍光性AGEsの生成を阻害するかどうか調べました。まず、じゃがいも各部位のメタノール抽出物を測定しました。そして部位毎にAGEs生成阻害率を平均し比較したところ、部位によって活性強度が異なることが分かりました。
図2
次に、高い活性を示した上位3つの部位「花」「葉」「皮」について、メタノール抽出物を分配して得られた7つの可溶性画分の抗糖化活性を測定しました。その結果、高極性画分であるブタノール画分の活性が最も高いことが分かりました。
図3
さらに、ブタノール画分を細分化して得られた8つのフラクションについて、抗糖化活性を測定しました。その結果、F003とF004に活性が集中していることが分かりました。
図4
そこで活性成分の検討を行いました。フラクション中の成分分析を進めたところ、「皮」のF003とF004にはカフェ酸が多く含まれており、一方「花」や「葉」のF003とF004にはクロロゲン酸が多く含まれていることが分かりました。また、他にもプロトカテク酸やフェルラ酸、バニリン酸などのポリフェノール類がブタノール画分中に存在することを確認しました。そこでこれらポリフェノール類の抗糖化活性をIC50(μg/mL)にて比較しました。その結果、カフェ酸、クロロゲン酸、プロトカテク酸については、陽性コントロールである塩酸アミノグアニジンよりも高い活性を示すことが分かりました。
図5

まとめ

じゃがいもの未利用部位である花、葉、皮には抗糖化活性が期待できる成分として、ポリフェノール類が含まれていることが分かりました。特に、皮にはカフェ酸が、花と葉にはクロロゲン酸がそれぞれ多く含まれ、部位によって含有ポリフェノールの種類に違いがあることが分かりました。

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