研究成果
(学会発表・研究論文)

学会発表

4種の間食と間食の摂取時間が夕食後の食後血糖値に及ぼす影響

2022. 6. 11

[内容]

17時(夕食の2時間前)に200kcalの間食(ポテトチップス、フルーツグラノーラ、黒豆、焼き芋)を摂取すると、いずれも夕食時の食後血糖値上昇を抑制できる可能性が示唆されました。一方15時(夕食の4時間前)の間食では、フルーツグラノーラや焼き芋に含まれる水溶性食物繊維がセカンドミール効果に寄与している可能性が考えられました。本研究によって、間食での糖質や水溶性食物繊維の摂取量が夕食時のセカンドミール効果に重要な因子である可能性が示唆されました。
「4種の間食と間食の摂取時間が夕食後の食後血糖値に及ぼす影響」
第72回日本家政学会において、カルビー株式会社と愛国学園短期大学、早稲田大学との共同研究として公表されました。

目的

これまで間食にフルーツグラノーラ(FG)や桑の葉・大麦ビスケットを摂取した際、夕食時の食後血糖値上昇を抑制する報告がされています。しかしながらポテトチップス(PC)や焼き芋(SP)、黒豆(BB)を間食に摂取した時のセカンドミール効果を報告した例や、間食と夕食までのインターバル時間を検討した例はありませんでした。本研究では、4種の間食と夕食までのインターバル時間を変えた際の間食摂取による夕食時のセカンドミール効果を検討しました。

方法

本試験では5つの試験群(PC、SP、BB、FG、間食なし)を設定して行いました。被験者には12時に昼食を、19時に夕食を食べてもらい、15時または17時に200kcalの間食を食べてもらいました。試験中の間質グルコースをモニタリングして解析を行いました。

表1. 間食の栄養成分
表1. 間食の栄養成分

結果

15時に200 kcalの間食を食べた場合、FG、SPで夕食時の食後血糖値上昇が抑制され、夕食時のAUC(Area Under the Curve;曲線下面積)も低い値になりました(図1)。

図1. 15時 間食におけるグルコース変動

図1. 15時 間食におけるグルコース変動 (A)持続型グルコースモニタリング装置によるグルコースの変動;各群の平均血糖値を時間ごとにプロット. (B)夕食後の最大グルコース値. (C) 夕食後のAUC. 平均値±標準偏差, N=17. *p < 0.05, **p < 0.01 (vs. NO群). NO;間食なし, BB;黒豆, PC;ポテトチップス, FG;フルーツグラノーラ, SP;焼き芋. 学会発表より一部改変.

続いて、17時に200 kcalの間食を食べた場合では、4種の間食全てで夕食時の食後血糖値上昇が抑制されました(図2)。PC、FG、SPのAUCは間食なしに比べて低い値となりました。

図2. 17時 間食におけるグルコース変動

図2. 17時 間食におけるグルコース変動 (A)持続型グルコースモニタリング装置によるグルコースの変動;各群の平均血糖値を時間ごとにプロット. (B)夕食後の最大グルコース値. (C) 夕食後のAUC. 平均値±標準偏差, N=16. *p < 0.05, **p < 0.01 (vs. NO群). 学会発表より一部改変.

12時から24時までの最大グルコース値と最低グルコース値のグルコース振幅を比較すると、15時の間食試験ではFGとSPが間食なしに比べて低い値となり、17時の間食試験ではPCとFGが低い値となりました(図3)。またモニタリング中のグルコース分布をみてみると、15時の間食試験ではSPが、17時の間食試験ではPCが間食なしに比べて高血糖状態(140mmHg以上)の時間の割合が減少しました。

  • 間食後血糖値
  • 間食後最大血糖値変化量
  • 夕食後血糖値
  • 夕食後最大血糖値変化量

図3. グルコースの振幅と分布 (A)グルコース振幅, 平均値±標準偏差. (A; n=17, B; n=16). (C,D)グルコース分布, 平均値 (C; n=17, D; n=16). *p < 0.05, **p < 0.01 (vs NO群). 学会発表より一部改変.

まとめ

17時(夕食の2時間前)に200kcalの間食を食べると、夕食時の食後血糖値上昇を抑制できる可能性が考えられました。一方15時(夕食の4時間前)に200 kcalの間食を食べると、フルーツグラノーラや焼き芋に含まれる水溶性食物繊維によって夕食時のセカンドミール効果に影響を与えている可能性も考えられました。間食での糖質や水溶性食物繊維の摂取する量が夕食時のセカンドミール効果に重要な要因である可能性が示唆されました。

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